さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『こぐまちゃんのみずあそび』

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森比左志
わだよしおみ
 
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昨日はなんと、息子初めてのスイミング体験でした。
 
前にも少し書きましたが、息子は泥遊びも水遊びも大嫌い。
特に水遊びは「靴はいてるから」「まだ水が冷たいから」「虫がいるから」と難癖つけて絶対にしようとしません。笑
 
スイミングだけは子どもには習わせるとずっと決めていたので、この夏前に、とまずは体験に。
 
案の定、嫌だ嫌だと泣き叫び、プールに泣き声が響き渡っていましたが笑 しばらくしたらさすがプロの先生、少しずつ水に触れることができる様になり、最後は先生から少し離れて水に入ることもできました。
 
もっと嫌がるかと思いましたが、本人も「プールまた行く」と言っていたので、来週から本格的に通うことに。
 
さぁ、どうなるでしょう。乞うご期待です。笑
 
水遊び嫌いなお子さんに「水遊びは楽しい」と思ってもらえる様な絵本もあります。
 
こぐまちゃんシリーズのこちらも、そんな絵本。
 
子どもの代名詞の様なこぐまちゃん。
お手伝いでお花のお水をあげていたかと思えば、その水をありの上にもかけてしまったり、ホースを持ってきたしろくまちゃんと水のかけっこを始めたりと、やりたい放題です。
 
こんな「いたずら」、大人からしたら「勘弁してよ」かもしれませんが、あとがきには「いたずら」が大切だと書かれています。
 
あくまでいたずらは、子どもの自主的な行動。
そしていたずらには、発展と応用があります。
勿論、絶対にダメだという線引きはありますが、大人が多少目をつぶれる範囲のいたずらは、子どもに自由にさせてあげたいとも思います。
 
やりたい放題のこぐまちゃん達ですが、水をかけてしまったありさんを葉っぱのボートに乗せてあげたりと子どもらしい優しさも描かれています。
(ありがた迷惑な優しさが、子どもの優しさです。笑)
 
水遊びだけでなく、子どもの心を自由に解放してくれる様な、こぐまちゃんのシリーズ。
 
是非子ども達と一緒に、大人も楽しみたいですね。
 
 
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【320】『こぐまちゃんのみずあそび』
森比左志
わだよしおみ
こぐま社 1971/11
 
 
160606
ayumi◡̈⃝

『ねこのピート だいすきなしろいくつ』

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ねこのピート だいすきなしろいくつ 』

エリック・リトウィン 作

ジェームス・ディーン 絵

大友剛 訳

長谷川義史 文字画


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絵本との出会いは本屋さんや図書館だけではありません。

自力で見つけることのできなかった絵本や、ぱっと見手に取らなかった絵本との出会いは、例えばお友達のお家や、誰かが読み聞かせてくれている場所なんかにふっと落ちてたりします。

今日参加させてもらった、京都の「えほん館」の花田さんの読み聞かせ。

「絵本ライブ」とあるだけあり、本当に自由な読み聞かせの空間でしたが、それもまた新たな絵本の楽しさを感じさせてくれるものでした。

そこで読んでもらったのがこの絵本。
実は今まで何となく手に取らなかった、取る機会のなかった絵本でした。

でも読んでもらったら、どこか癖になる、忘れられなくなる1冊に。
迷わずお迎えして、息子と何度も読んで歌って楽しんでいます。

ねこのピートは、白いくつが大好き。
でもひょんなことから、白いくつが赤くなったり青くなったり水浸しになったりしてしまいます。

お気に入りの白いくつが白くなくなってしまう。
勿論ピートは、泣いて...なんかいません。

「赤いくつもまたいいんじゃね?」とかなりのポジティブシンキング!笑

そしてこの歌を歌います。

あかい くつ
かなり さいこう!
あかい くつ
かなり さいこう!
あかい くつ
かなり さいこう!♫♫

とってもロックなピート。
読んでいる内に、自然と笑顔に、自然とポジティブになることができます。

生きていたら、失敗も挫折もつきもの。
お気に入りのものが壊れてしまうことだって、日常茶飯事です。

そんな時、今の自分の置かれている状況から何か「さいこう!」なものを見つける。
それって、楽しく生きる為にとっても大切なことだと思います。

私自身、大好きだったアパレルの仕事を出産を期に辞めなければいけなくなりました。
大好きだったオシャレも、ネイルも、何もできない生活。ずっと長くしていた髪もばっさりショートに。
正に180度変わってしまった生活の中で、「さいこう!」だと思えたものが、絵本でした。

生活の中で落ち込むことがあっても、何かその中に楽しさを見出す力。
子ども達にも、ピートの様なポジティブシンキングを心のどこかに持っていて欲しいと思います。


「なにが あっても
うたを うたって
まえに すすむってこと

そう それが だいじ!
きょうも かなり さいこう!」


落ち込んだ日。ちょっと失敗した日。何だか憂鬱な日。
そんな日は、是非ピートと一緒にこの歌を歌ってみて下さいね。

きっと何か、「さいこう!」が見つかると思います。


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【319】『ねこのピート だいすきなしろいくつ』
エリック・リトウィン 作
ジェームス・ディーン 絵
大友剛 訳
長谷川義史 文字画
ひさかたチャイルド 2013/05


160605
ayumi◡̈⃝

 

『コッコさんとあめふり』

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コッコさんとあめふり (幼児絵本シリーズ) 』

片山健

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本格的に梅雨入りした様な空模様です。
雨の絵本で梅雨の季節も楽しもう、と言いつつも、本音はやっぱり梅雨の季節は苦手。

できれば晴れの方がやっぱり嬉しいです。

あまり雨が続く様なら、てるてる坊主にお願いしてみるのもひとつの手かな?
そういえば去年も息子と沢山てるてる坊主を作った気がします。

わたしの大好きなコッコさんシリーズのこの絵本も、続く雨模様をどうにかしようと、コッコさんがてるてる坊主にお願いします。

てるてるぼうず
てるてるぼうず
あしたてんきにしてください

歌う様に、コッコさんはてるてる坊主を作ります。

でも、なかなか晴れにはなりません。

てるてる坊主の中にお手紙を入れてみたり、疲れてるのかもとお休みさせてあげたり...コッコさんの必死な思いと優しさが垣間見えます。

歌絵本とはまた違いますが、まるで歌う様に読める文章は、耳にもとても心地いいです。

てるてる坊主はコッコさんのお願いを叶えてくれるのでしょうか?

長い梅雨もいつかはあけて、日差しの眩しい夏がやって来ます。

最後のページは、そんな明るい気持ちにさせてくれる、鮮やかなものとなっています。

雨模様が続いて大人も子どもも少しうんざりしてきた時は、この絵本を読んで、青空を待ちわびながらてるてる坊主を作ってみるのもいいですね。


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【318】『コッコさんとあめふり』
片山健
福音館書店 2003/05

 

160604

ayumi◡̈⃝ 

『ゆかいなかえる』

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ジュリエット・ケペシュ 文・絵

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6月になり、前よりかえるの合唱がよく聞こえる様になりました。

我が家の目の前も田んぼなので、よくかえるの声が聞こえます。

そんなかえるの絵本も、この季節に読みたくなるものが沢山あります。

かえるの絵本も素敵なものが多いのですが、この絵本もとっても大好きな1冊。

1964年に刊行された、ロングセラーの古典作品です。

始まりはなんと、かえるのたまごがさかなにぱくっと食べられるところから!

え、食べられちゃうの!?とびっくりしますが、食べられずに済んだ4つのたまごから、4匹のおたまじゃくしが生まれます。

おたまじゃくしは少しずつ大きくなり足がはえて、しっぽが縮み、4匹のかえるとなります。

かえるたちは泳いだり遊んだり、時には命の危険と隣り合わせにもなりますが、それすら遊びに変えながら楽しんでいます。

何でも「楽しむ」姿は、まるで子ども達を見ている様です。

大人もこのかえるたちの様に、前向きにポジティブに物事を楽しみたくなってきます。

かえるになるまでの過程や冬場の冬眠も描かれているので、科学絵本の要素もあります。

ですが、とにかく「ゆかいな」かえるたち。
作者のケペシュは、「生きるものたちの動くフォームが、何よりの絵の教師だ」と言っています。(作者紹介より)
そんなケペシュの描く、躍動感あふれる楽しいかえるたち。
単純にその愉快さを楽しみたい1冊です。

ちなみにこの絵本、見開きもたくさんのおたまじゃくしが描かれていて素敵です。
質の良い絵本は、見開きまで工夫して描かれたものが多いです。

是非そこもチェックしてみて下さいね。


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【317】『ゆかいなかえる』
ジュリエット・ケペシュ 文・絵


160603
ayumi◡̈⃝

『どろんこ どろんこ!』

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大友康夫 絵

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今日は幼稚園で泥んこ遊びでした。

潔癖な息子は、少し手が汚れたり足が汚れたりしただけで「ふくの!」と綺麗にしたがるので、泥遊びも基本的に大嫌いです。笑

でも今日は、少しずつ泥にも慣れて、最後は裸足で泥水をパチャパチャできるくらいにはなりました!

母親的には多少泥だらけになっても子どもらしく遊んで欲しいので、今回の泥遊びで少しは潔癖が直ればいいな...と思いました。笑

わたしの大好きなくまくんシリーズにも、泥んこ遊びの絵本があります。

道具は、しゃべるとばけつだけ。

お砂場で、お山を作ったり穴を掘ったり、そこに水を流しいれてお池にしたり。

幼稚園での泥んこ遊びも、そんな感じでした。
でも、特別なおもちゃなんかなくても、そこに砂場と水があれば遊びは無限に広がります。

泥団子を作ったり、サラサラの砂と小石の混ざった砂の感触の違いを確かめたり、泥水でびちゃびちゃばちゃばちゃ遊んだり。

くまくんも、どろんこ どろんこ!と全身泥だらけです。
泥んこ遊びの時に、よそ行きのお洋服はご法度。
「汚れたら洗えばいい」と親が思える服を着せて、好きなだけ全身泥だらけになって遊ばせてあげたいと思います。

泥んこ遊び、大人もやってみたら案外楽しめます。
沢山一緒に泥遊びをして、夏場はそのまま一緒にシャワーを浴びて。

そんな風に遊べたらな、と、この絵本を見ると思います。

ちなみにこの絵本の裏表紙、くまくんは泥だらけでお家へ帰っています。
そしてこの絵本の続きではないですが、続いて読みたいのが、『おふろだ、おふろだ!』 - さんじのえほん。
どろんこになったくまくんが、おとうさんとお風呂に入る絵本です。

是非続けて読んでみて下さいね。


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【316】『どろんこ どろんこ!』
大友康夫 絵


160602
ayumi◡̈⃝



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『かさ さしてあげるね』

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西巻茅子 絵

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今日から6月。梅雨の季節ですね。
書店にも図書館にも、雨の絵本が並んでいます。

毎年雨の絵本はチェックしていますが、「こんなのあったんだー」や「これは見逃してた!」なんてのもあって、いつ見ても楽しいです。

雨の日を少しだけ明るく楽しくしてくれる絵本達。
今月は少しでも多くの雨の絵本を紹介できたらな、と思います。

早速今日も雨の絵本を。
小さなお子さんから読める、素敵なお話です。

小さな男の子が、動物たちに「かさ さして あげるね」と優しく傘をさしてあげます。

大きなぞうさんには、大きな傘。
背の高いきりんさんには、長い傘。
小さなありさんには、小さな傘。

それぞれの傘の変化も楽しいですし、男の子の優しさにも心が温かくなります。

ピッチャン パッチャン
ピロリン ポロリン

そんな雨の音も耳に楽しく響きます。

優しい男の子には、優しさのお返しが待っています。
そして最後はやっぱり、太陽の笑顔。

雨の絵本の多くは、最後にはあたたかな太陽が顔を出します。
そんなところもまた、雨の絵本の魅力だと感じます。

決して押し付けがましくない自然な優しさ。
子どもの頃から、こんなあたたかな絵本に触れて欲しいなと、そう思います。

小さなお子さんからオススメの雨の絵本です。


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【315】『かさ さしてあげるね』
西巻茅子 絵


160601
ayumi◡̈⃝

『おさんぽ おさんぽ』

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ひろのたかこ

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今日で5月も終わり。
明日からは6月です。

6月と言えば梅雨の季節。そろそろ週間天気予報に傘のマークが並ぶ季節になりますね。

どうしても気分が滅入りがちな梅雨の季節。
少しでも楽しく過ごすために、雨の絵本は欠かせません。

勿論、大人だけじゃなくて子どもも雨の季節を沢山楽しんで欲しい。
お外で思いっきり遊べなくて大なり小なり、ストレスは抱えてしまうと思います。

雨の日の楽しみを絵本から教えてもらう。
それもまた、雨の絵本の楽しみ方のひとつです。

この絵本も、そんな雨の楽しみ方が描かれています。

表紙には、綺麗なレインブーツ。
もしかしたら新品のおろしたてかもしれません。

おさんぽ おさんぽ

雨上がりの道を、ずんずんレインブーツを履いた足が進みます。

足元には、だんごむしさんやありさん、かたつむりさん、かえるさんも。

みんな、各々おさんぽを楽しんでいます。

そしておさんぽしながら見つけたのは、子どもの大好きなみずたまり。

もちろん、バシャバシャと入っていくレインブーツ。

躍動感あふれる水しぶきや、レインブーツが脱げようが御構い無しにバシャバシャ楽しむ小さな足。
思わず自分もやりたい衝動に駆られます。

たっぷりバシャバシャして、お土産にたっぷりの水をレインブーツに入れた足は、またおさんぽに繰り出します。

表紙でピカピカだったレインブーツは、裏表紙ではどろだらけ。

つい、雨の日や雨上がりのみずたまりは「濡れるから」「汚れるから」と避けてしまいがちですが、バシャバシャやるのはきっと大人でも気持ちよくて楽しいこと。

ピカピカのレインブーツより、泥だらけの方がきっと、レインブーツも喜ぶんじゃないかな、なんて思います。

最初から最後まで足しか描かれていないので、読者も感情移入して楽しみやすい1冊です。


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【314】『おさんぽ おさんぽ』
ひろのたかこ


160531
ayumi◡̈⃝