『ゆかいなかえる』

ジュリエット・ケペシュ 文・絵
石井桃子 訳
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6月になり、前よりかえるの合唱がよく聞こえる様になりました。
我が家の目の前も田んぼなので、よくかえるの声が聞こえます。
そんなかえるの絵本も、この季節に読みたくなるものが沢山あります。
かえるの絵本も素敵なものが多いのですが、この絵本もとっても大好きな1冊。
1964年に刊行された、ロングセラーの古典作品です。
始まりはなんと、かえるのたまごがさかなにぱくっと食べられるところから!
え、食べられちゃうの!?とびっくりしますが、食べられずに済んだ4つのたまごから、4匹のおたまじゃくしが生まれます。
おたまじゃくしは少しずつ大きくなり足がはえて、しっぽが縮み、4匹のかえるとなります。
かえるたちは泳いだり遊んだり、時には命の危険と隣り合わせにもなりますが、それすら遊びに変えながら楽しんでいます。
何でも「楽しむ」姿は、まるで子ども達を見ている様です。
大人もこのかえるたちの様に、前向きにポジティブに物事を楽しみたくなってきます。
かえるになるまでの過程や冬場の冬眠も描かれているので、科学絵本の要素もあります。
ですが、とにかく「ゆかいな」かえるたち。
作者のケペシュは、「生きるものたちの動くフォームが、何よりの絵の教師だ」と言っています。(作者紹介より)
そんなケペシュの描く、躍動感あふれる楽しいかえるたち。
単純にその愉快さを楽しみたい1冊です。
ちなみにこの絵本、見開きもたくさんのおたまじゃくしが描かれていて素敵です。
質の良い絵本は、見開きまで工夫して描かれたものが多いです。
是非そこもチェックしてみて下さいね。
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【317】『ゆかいなかえる』
ジュリエット・ケペシュ 文・絵
石井桃子 訳
福音館書店 1964/07
160603
ayumi◡̈⃝