さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『おやすみなさい くまくん』

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『おやすみなさい くまくん』

パッツィ・スキャリー 作

リチャード・スキャリー 絵

木坂涼


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先日、リチャード・スキャリーの新刊絵本『うさぎのニコラス』を紹介させてもらいましたが、こちらもリチャード・スキャリーの絵本です。

スキャリーおじさんシリーズでも有名な作者ですが、彼が描く動物達は世界中で愛されています。

 

こちらの絵本は、くまくん親子が主人公。
もう寝る時間ですが、くまくんはまだ寝たくありません。
お父さんの肩車でベッドへ向かいますが、なかなか肩から降りようとしないのです。

 

そこで考えたお父さん。
お父さんはくまくんの遊びに、少し付き合うことに決めました。

 

「おやおや? ゆめを みているのかな?」

 

そう言ってくまくんを探し始めるお父さん。
くまくんが肩に乗っている事をすっかり忘れたかの様な口ぶりです。

 

お母さんにもそっとウインクをし、この遊びを伝えるお父さん。

 

家中を探し回りながら、肩の上のくまくんはくすくすとご満悦です。

 

とにかくお父さんの対応がとっても素敵。
寝ない子どもを前に、なかなかこんな対応はできません。

 

でも一度受け入れてもらえた子どもは、後はすんなりと納得したりするものです。

 

「ぼく うまく かくれてたでしょ?
だ〜れも ぼくを みつけられなかったんだよね?」

 

とっても満足そうなくまくんは、お父さんに抱えられてちゃんとベッドへ向かいます。

 

「寝なさい!」と押し付けるのではなく、子どもをしっかり満足させてからベッドへ向かわせる。
どんなことでも、きっと子どもは「受け入れてもらえた」と感じられたらちゃんと納得するものだと思います。

 

子どもの子どもらしさをそのまま受け入れること。
そんなことを、大人にもそっと教えてくれる絵本です。

 

勿論子ども達はくまくんに自分を置き換えて、くすくす楽しめると思います。

おやすみなさいの絵本、こんな絵本もまたオススメです。


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【335】『おやすみなさい くまくん』
パッツィ・スキャリー 作
リチャード・スキャリー 絵
木坂涼
好学社 2015/12


160621
ayumi◡̈⃝