『にんじんのたね』
『にんじんのたね 』
ルース・クラウス 作
クロケット・ジョンソン 絵
おしおたかし 訳
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前回紹介した絵本と同じく、この絵本も種から野菜を育てる内容となっています。
でも少し雰囲気の異なるこちら。
洋書絵本でも人気の高い1冊です。
おとこのこがにんじんのたねを植えます。
でも周りの人たち、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、みんな「め なんか でっこないよ」と言います。
それでもおとこのこは、毎日水をやり、周りの草を取り、芽がでるのを待ちます。
そんなおとこのこの気持ちが通じたのか、ある日、にんじんの芽が出て、とっても大きなにんじんを収穫することができました。
ほらね、
おとこのこが
おもっていた とおりに
なったでしょ。
構成も、左ページが文章、右ページが絵と、昨日紹介した『ピーレットのやさいづくり』と似通っています。
文字数は圧倒的にこちらの方が少なく、薄い小さな絵本ですが、こちらの方がより大きなお子さん向けだと感じます。
内容はとても単純ですが、言葉が少ないからこそ、哲学的な雰囲気があります。
種を信じ続けた名もないおとこのこ。
誰かはきっと、自分のことを信じてくれている。そんな気持ちにさせてくれます。
文章量や絵本の厚み、つい年齢と合わせて考えてしまいがちです。
勿論、文字数と年齢は全く関係ないわけではありません。
でも、文章量が少ないから小さな子ども向け。
文章量が多いから大きな子ども向け。
そんな風に単純には考えられないとも思います。
少なくともこの絵本は、大人も何か感じるところのある1冊だと思います。
シンプルな絵や色遣いも魅力的な絵本です。
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【334】
『にんじんのたね』
ルース・クラウス 作
クロケット・ジョンソン 絵
おしおたかし 訳
こぐま社 2008/11
160620
ayumi◡̈⃝