さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『にんじんのたね』

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にんじんのたね 』

ルース・クラウス 作

クロケット・ジョンソン 絵

おしおたかし 訳


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前回紹介した絵本と同じく、この絵本も種から野菜を育てる内容となっています。

でも少し雰囲気の異なるこちら。
洋書絵本でも人気の高い1冊です。

 

おとこのこがにんじんのたねを植えます。
でも周りの人たち、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、みんな「め なんか でっこないよ」と言います。

それでもおとこのこは、毎日水をやり、周りの草を取り、芽がでるのを待ちます。

 

そんなおとこのこの気持ちが通じたのか、ある日、にんじんの芽が出て、とっても大きなにんじんを収穫することができました。

 

ほらね、
おとこのこが
おもっていた とおりに
なったでしょ。

 

構成も、左ページが文章、右ページが絵と、昨日紹介した『ピーレットのやさいづくり』と似通っています。

 

文字数は圧倒的にこちらの方が少なく、薄い小さな絵本ですが、こちらの方がより大きなお子さん向けだと感じます。

 

内容はとても単純ですが、言葉が少ないからこそ、哲学的な雰囲気があります。

 

種を信じ続けた名もないおとこのこ。
誰かはきっと、自分のことを信じてくれている。そんな気持ちにさせてくれます。

 

文章量や絵本の厚み、つい年齢と合わせて考えてしまいがちです。
勿論、文字数と年齢は全く関係ないわけではありません。

 

でも、文章量が少ないから小さな子ども向け。
文章量が多いから大きな子ども向け。
そんな風に単純には考えられないとも思います。

 

少なくともこの絵本は、大人も何か感じるところのある1冊だと思います。

シンプルな絵や色遣いも魅力的な絵本です。


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【334】
『にんじんのたね』
ルース・クラウス 作
クロケット・ジョンソン 絵
おしおたかし 訳
こぐま社 2008/11


160620
ayumi◡̈⃝