『まるくて おいしいよ』
小西栄子
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息子は嫌いな食べ物は今の所なく何でも食べますが、好きな食べ物があったらもうそればかり食べています。
唐揚げ、クリームコロッケ、いちご、ミニトマト、鮭、かぼちゃスープ、パンケーキ...と、やはり茶色いものが多いですが笑 そんな彼の愛してやまない食べ物のひとつが、ドーナツ!
穴の開いた丸いもの=ドーナツの思考回路の息子。
いつの間にその味を覚えたのか、パン屋さんを通ると「ドーナツ買う?食べる?」としきりに催促してきます。
たまに何かのご褒美で買ったりした時は、どれだけ嬉しいのかと思うくらいのハイテンションで帰宅します。笑
そんな彼が表紙からもう大好きな絵本が、こちら。
魅力的な食べ物絵本を描かれる小西栄子さんの、これまた美味しそうな1冊です。
赤い丸がひとつ。
これ なあに。
ページをめくると、その丸がチョコレートケーキに変身しています。
ほうら、まるくて おいしいよ。
次は黄色い丸が8つ。
これ なあに。
今度は美味しそうなビスケットとクッキー。
ほらほら、まるくて おいしいよ。
こんな風に、様々な丸が食べ物へと変身していきます。
他にものりまきやレモン、オレンジ、グレープフルーツなど、丸い食べ物が沢山登場します。
0.1.2.えほんシリーズなので赤ちゃんから楽しめる絵本ですが、チョコレートケーキやクッキーは赤ちゃんよりは2.3歳のお子さんからの方が馴染みがあるんじゃないかな?なんて最初は思っていました。
ですが、この絵本の本質は食べ物の中身よりも、単純に「丸」にあると何度か読む内に考え直しました。
小さな赤ちゃんにとっては、「丸」は馴染み深く記憶に残りやすい形でもあります。
人の顔やお月様、おひさま、ボールなど、赤ちゃん向けの絵本にも丸は沢山登場します。
丸は柔らかくあたたかい印象です。
そんな丸と、「おいしいよ」というお母さんの優しく嬉しい声。
美味しそうな食べ物の中身も勿論ですが、そんな単純なことが何よりも子どもの楽しく幸せな気持ちを引き出してくれるのだと思います。
最後のすいかは、正に「どっかり」という言葉がぴったりの大きさ。
言葉のチョイスもまた素敵な1冊です。
小さな赤ちゃんから本当にチョコレートケーキの美味しさを知ったお子さんまで楽しめる、美味しい嬉しい食べ物絵本です。
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【296】『まるくて おいしいよ』
小西栄子
福音館書店 1999/05
160513
ayumi◡̈⃝