『きんぎょが にげた』

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インフルエンザが大流行しているので、なかなかお外に出られない日々が続いています。
今日も昨日に比べてぐんと寒く、結局お家遊び。
明日も本当は幼稚園の園庭開放に行こうかと思っていましたが、あまりのインフルエンザの猛威に自粛することにしました。
義母がインフルエンザでしたが、だいぶ良くなったとのこと。
このまま我が家も誰もかかることなく、春を迎えたいです。
皆さんも十分お気を付け下さいね。
さて、昨日はバレンタインということで、ハートの探し絵の絵本を紹介させていただきました。
今日は探し絵絵本と言えばこれでしょう!という、鉄板中の鉄板を紹介させていただけたらと思います。
この絵本で、「きんぎょ」を覚えた子どもも少なくないはずです。
今日の絵本は、『きんぎょが にげた』です。
五味太郎さんのとても有名な1冊。
オススメ絵本としてディスプレイされていることが多い絵本です。
内容は至極単純。
きんぎょが にげた。
どこに にげた。
逃げたきんぎょがページのどこかに隠れています。
時にはカーテンの模様になってみたり、キャンディの中にまじってみたり。
ページをめくるごとに、難易度が少しずつ高くなっている様な気がします。
子ども達はきんぎょを探すのに夢中になります。
「いたー!」「ここー!」
そんな声が絵本を読む間に沢山生まれると思います。
「探し絵」というとなかなか赤ちゃんにとっては難易度が高い様な気がして、息子もかなり早くから持ってはいたものの、初めて読み聞かせたのは1歳半頃でした。
それでもまだ言葉もままならなかったし、わからないだろうと思っていたら、あっという間にきんぎょを見つけて指をさしてる!
その姿に、母親ながらとても驚いた記憶があります。
子どもは親が思うよりずっと物事をわかっていて、ずっと成長しているのだと、この絵本を通して気付かされました。
さて、絵本の内容に戻りますが、クライマックスは沢山のきんぎょの中から「にげていたきんぎょ」を探さなければいけません。
ちゃんと「にげていたきんぎょ」には特徴があります。
子どもはその特徴もしっかり理解しています。
ここでもまた、大人は子どもの理解力に驚かされると思います。
この沢山のきんぎょの中に、1匹だけ笑っているきんぎょがいます。
是非大人も一緒に探してみて下さいね。
何年経っても色褪せることのない、子ども達に愛され続けるきんぎょ。
親子で笑いながら、驚きながら、楽しみながら、その時間を共有して欲しいと思います。
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【206】『きんぎょが にげた』
福音館書店 1982/08
本来、絵本の読み聞かせは、親子でその時間を共有し、楽しみ、コミュニケーションをとることに1番の意味があると思っています。
でも最近の「絵本ブーム」で取り上げられる絵本達は、何だか少しその趣旨が違ってきている様に感じて仕方ありません。
先日、とある番組で絵本ブームが取り上げられていました。
そこでピックアップされている絵本は、子どもを効率よく寝かしつけるのに効果的な絵本や、語彙力を増やす為の絵本、そして、子どもの心理を蔑ろにした、大人の独りよがりな感動の為の絵本でした。
正直、とても不安になりました。
絵本は子どもを寝かしつける為のものでも、語彙力を増やす為のものでもありません。
ましてや、子どもの心理を理解していない様な絵本は、子どもには手渡すべきではないと思っています。
勿論、それらの絵本を否定するつもりはありません。
心理学に沿って睡眠を誘う絵本はある意味新しい研究結果だと思うし、そういう意味ではとても興味深いです。
大人が読めば感動で涙する絵本も、「大人が読めば」とても良い絵本なのかもしれません。
絵本を通して語彙力が増えるということも、確かに言えることです。
でもそれらが子どもにとって良い絵本であるというのは、何か違うと思います。
子どもにとって良い絵本とは何か。
わたしもずっと考え続けていますし、未だに明確な答えは出ていません。
でもひとつだけ言えることは、その絵本をお母さんと一緒に、読み手と一緒に楽しめるか。
それがとても大切なのだと思います。
親子で1冊の絵本を通して楽しむこと。
それが絵本の読み聞かせに1番大切なことで、これらの絵本は、それが根本的に抜けていると感じざるを得ませんでした。
絵本ブームを通して、絵本に興味を持つお母さんが増えることは嬉しいことかもしれません。
でもその根本を見失わないで欲しい。そう、心から願います。
160215
ayumi◡̈⃝