さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『くまのコールテンくん』

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ドン=フリーマン 作
松岡享子 訳

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この絵本紹介Blogを始めて半年程経ちますが、今日の絵本で200冊目を迎えました!

もうそんなに紹介させてもらったのかという気持ちと、まだまだ紹介したい絵本が沢山ある!という気持ちと半々です。笑

いつも見て下さっている皆様、ありがとうございます。

これからも1日1冊、マイペースですが様々な絵本を紹介させてもらえたらと思います。

そんな今日は、200冊目ということで、わたしの大好きな絵本を1冊紹介させて下さい。

好きな絵本は何?と聞かれて、頭に思い浮かぶ絵本の内の1冊です。

今日の絵本は、『くまのコールテンくん』です。

くまのコールテンくんは、おおきなデパートのおもちゃ売り場で売られていました。

毎日たくさんのお客さんが来ますが、誰もコールテンくんを買って行こうとはしません。

そんなある日、女の子がコールテンくんの前で立ち止まりました。

女の子はコールテンくんを欲しがりましたが、お母さんは「つりひもの ボタンが、ひとつ とれてるわ。」と買ってくれません。

そこでコールテンくんは初めて、自分のつりひものボタンがないことに気付きました。

その夜、コールテンくんはボタンを探しに冒険へ出かけます。

ボタンがあればきっと、誰か連れて帰ってくれると信じて。

コールテンくんが真夜中の冒険に繰り出しますが、その中で今まで出来なかった経験を沢山します。

エスカレーターに初めて乗ったコールテンくんは、「これ、やまかな?ぼく、ずっとまえから やまに のぼってみたいなぁって おもってたんだ。」と嬉しそう。

コールテンくんにはずっと前からやりたかったことが沢山あります。
それは子ども達も同じで、コールテンくんにきっと親近感を覚えると思います。

でもきっとコールテンくんが1番望んでいたのは、誰かが連れて帰ってくれること。
「ともだち」になってくれることでした。

それを叶えてくれたのが、あの、コールテンくんを欲しがった女の子、リサです。

彼女は自分のお小遣いを持って、次の日コールテンくんを迎えに来てくれました。

包まずにそのまま抱いて家へ連れ帰り、コールテンくんの取れたボタンをつけてくれます。

「あたし、あなたのこと このままでも すきだけど、でも、ひもが ずりおちてくるのは、きもちわるいでしょ。」

リサのこの言葉に、わたしはいつも心を打たれます。

「このままでもすき」だと言ってあげること。
その上で、相手を気遣い手助けをしてあげること。

子育ても同じで、まずはそのままを受け入れてあげることが大切なんだと、はっとさせられます。

コールテンくんとリサは、きっと唯一無二の親友になれると思います。
この絵本を読んだ子ども達にも、きっとそんな存在があるはず。あるいは、いつかできるはずです。

そんな子ども達を見守りながら、例えボタンが取れていても、大好きよと抱きしめてあげられる親でありたいと、そう思います。

大人になってから読むとまた違った思いを抱ける絵本。
子どもだけでなく、大人の方にも是非読んでもらいたい、わたしの宝物絵本です。


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【200】『くまのコールテンくん』
ドン=フリーマン 作
松岡享子 訳
偕成社 1975/05

インフルエンザが猛威をふるっていますね。
皆さんは大丈夫ですか?

わたしも息子も今年はワクチンを打たなかったので、できるだけ人混みを避けて、お家遊びをメインに過ごしています。

早くあたたかくなって、お外で思いっきり遊ばせてあげたいなぁ。

そう言っている間に、春はもうすぐそこまで来てるんでしょうね。

皆様もくれぐれも、インフルエンザにはお気をつけ下さいね。


160209
ayumi◡̈⃝