『もりのなか』
マリー・ホール・エッツ 文・絵
まさきるりこ 訳
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今日は少し遠いけど広い公園へ行ってきました。
工事中でずっと行けなかったけど、ようやく工事が終わったみたいで。
まだ一部しか終わっていませんでしたが、自転車で何とか行ける距離にこれだけ広い公園はありがたいなぁと思いました。
落ち葉やどんぐりも沢山あって、息子も木の枝を拾って沢山お散歩。
木々の上の方を見ては、「おさるさん、ぶらーんぶらーんしてるねー」。
勿論おさるさんなんていませんが。笑
絵本のワンシーンを思い出していたのか、はたまた子どもにしか見えないおさるさんがいたのか。
こういう時、子どもの目線がとても羨ましくなります。
子どもにしか見えない世界。
そんな世界が必ずあります。
それを思う存分感じさせてくれる名作を、今日は紹介させてもらいます。
今日の絵本は、『もりのなか』です。
ぼくは、かみの ぼうしを かぶり、あたらしい らっぱを もって、もりへ、さんぽに でかけました。
そんな冒頭から始まるこの世界は、正しく子どもならではの世界です。
おおきならいおんが昼寝をしていたり、二ひきのぞうのこどもが水浴びをしていたり。
動物たちは、ぼくのさんぽについて来たがります。
らいおんは、ちゃんとかみをとかして。
ぞうのこたちは、耳ふいて服をちゃんと着て。
他にも、くまや、かんがるーや、こうのとりや、さる、うさぎ。
みんな行列になって、賑やかなさんぽが始まります。
この絵本は、ぼくの空想の世界。
勿論そうなんだけど、動物たちが「いい子にしたらさんぼについて行ってもいい?」と聞く辺り、ちゃんと現実世界とつながっていると感じます。
きっとぼくは、よく大人にそう言われてるのでしょうね。
そしてこの作品、何と言っても素晴らしいのは最後に出てくるおとうさんです。
遅くなったのでぼくを迎えに来たおとうさん。
どうぶつたちと遊んでいたというぼくを、「何を言ってるんだ」なんて否定することもなく、ぼくに言います。
「きっと、またこんどまで まっててくれるよ。」
おとうさんはぼくの世界を壊すことなく、ぼくと一緒に家へ帰ります。
このおとうさんの一言。
これを子どもに言える大人になりたいと、この絵本を開く度に思います。
白と黒だけで描かれたとてもシンプルな絵本ですが、子ども達に愛される魅力がたっぷりと詰まっている、名作です。
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【104】『もりのなか』
マリー・ホール・エッツ 文・絵
まさきるりこ 訳
福音館書店 1963/12
この絵本に出てくる動物の中で、うさぎだけが少し変わった立ち位置にいます。
ほかの動物達は皆自分から積極的についてくるのですが、うさぎは何も言いません。
ぼくはうさぎに、「こわがらなくって いいんだよ」と声をかけます。
そしてうさぎは、行列の最後尾ではなく、ぼくの隣に並んでついて来ます。
このうさぎの表す意味は諸説あります。
ここでは敢えて触れませんが、そういった細かい所まで「絵本を読み解く」のは、大人の楽しみ方のひとつかもしれません。
個人的には、やはり松居直さんの見解がとてもしっくり来ました。
気になる方は是非、色々と調べてみて下さい。
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最近息子はおままごとブーム。
よくカレーを作ってくれます。笑
何でも食べ物に見立ててご馳走にしてしまう子どもの視点は、やっぱり羨ましい。
息子と遊ぶ時はわたしもそんな視点になれる様に、努力してます。笑
大人は努力しないと空想の世界に入れないのが、ちょっとさみしいですね。
151105
ayumi◡̈⃝