さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『まほうのなべ』

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まほうのなべ 』

ポール・ガルドン 再話・絵
晴海耕平 訳

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ここ何冊かハロウィンにちなんだ絵本を紹介させてもらっていますが、今日もそんな絵本を1冊紹介させて下さい。

と言っても、ハロウィンらしいものは魔女くらいですが...。笑

視野を広くするとあれもこれもハロウィン要素が!と、紹介する絵本に悩んでしまいました。笑

今日の絵本は、『まほうのなべ』です。

むかしむかし、貧しい母娘が住んでいました。

食べる物に困ると、娘は朝早く寒い時間から、森へくるみやいちごを探しに出かけます。

ですがその日は何も見つけられませんでした。

とうとう泣き出してしまった女の子の前に、ながいマントを羽織り、まがったつえをついたしわがれた声のおばあさんが立っていました。

おばあさんが差し出してくれた小さななべは、なんとまほうのなべ。

"にえろ、ちいさななべよ にえろ!"

と言うと、なべはたちまちオートミールでいっぱいになり

"とまれ、ちいさななべよ とまれ!"

と言うと、なべはオートミールを煮るのをやめる。

決してまほうのことばは忘れてはいけないと言い残して、おばあさんはすっといなくなってしまいます。

喜んだ娘は急いで帰り、お母さんと早速なべを火にかけて、教わったまほうのことばを唱えると、なべはオートミールでいっぱいに!

これで2人とも、ひもじい思いはせずにすむようになりました。

ところがある日、娘が出掛けている間にお母さんがまほうのなべでオートミールを出すのですが、止める為のまほうのことばを忘れてしまい......。

単純明快なストーリーで、起承転結もはっきりとしているので、最初から最後まで楽しめます。

昔から伝えられているお話なので、やっぱり物語の根本がとてもしっかりしていると思います。

魔法や食べ物が出てくるので、子どもの好きな要素もしっかり押さえています。

お母さんがまほうのことばを忘れたせいで村中がオートミールだらけになってしまいますが、そのおかげで何日も村人たちは食べ物に困らずに過ごすことができました。

こういった昔話は、魔法によって欲が出てしまった代償に何かアクシデントがあることが多い様に思いますが、このお話は最初から最後まで悪人が出てこないので、安心したあたたかみがあります。

魔女のおばあさんも不気味ですが、なんだか良い人に見えちゃいます。
良い人なんですよね、困っている女の子に無償でまほうのなべをくれちゃうくらい。笑

こんなまほうのなべ、あったら便利だよなぁ...と思うのは、やっぱり、毎日ご飯を作らなきゃいけない世の中のお母さん達ですよね。

毎日毎日、食事の支度本当にご苦労様です。

せめて絵本の中だけでも、便利なまほうのなべを堪能してみて下さいね。笑


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【98】『まほうのなべ』
ポール・ガルドン 再話・絵
晴海耕平 訳
童話館出版 1998/01

この絵本は、以前は岩崎書店より『まほうのおなべ』の題名で刊行されていましたが、翻訳を新たにして童話館出版より改めて出版されました。

童話館出版は、絶版になってしまった良書をよく復刊してくれています。

ぱっと目につく様な絵本ではないですが、所謂「良い絵本」と言われる様な優れた作品を多く出版しています。

シンプルな絵本や、時には一見古臭くて「これってどうなの?」と感じてしまう様な絵本もありますが、本質は文章も絵も子どもの事をしっかりと考えてあるものが多いので、比較的安心して子どもに与えられると、わたしは思います。

「これは是非子どもに与えたい」というような良い絵本も、世の中には沢山あります。
そういった絵本も織り交ぜながら、子どもと絵本の世界を楽しんでいきたいと思います。


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今日は昨日から動物園に行きたがっていた息子を連れて、動物園ではなく笑 水族館へ行ってきました。

お魚も好きな息子は、「とと!」と喜んでいましたが、最終的には「きりんさん、いるかなぁ?」...。笑

ごめんね、今日はいなかったね´◡`;

体調が完全復活したら、天気の良い日に動物園、行こうね。笑

隣接した公園は遠足日和だったのか、小学生が大量で、ゆっくり遊べなかったのが残念でした´◡`;

秋はやっぱり遠足が楽しいですもんね♫


151030
ayumi◡̈⃝