『あいうえおの本』

『あいうえおの本 』
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絵本は、何かを教える為の教材ではないと思っています。
でも絵本の中には、例えば平仮名や数字、季節の行事や生活習慣などをとても上手に素敵に教えてくれるものもあります。
何かに興味をもってもらうきっかけにするのであれば、そういった絵本が力を発揮すると思います。
その様な絵本のひとつが、「あいうえおの絵本」。
本屋さんにコーナーが出来る程、沢山の種類があります。
「あいうえおの絵本」と銘打ってるだけあって、あいうえおを子どもに伝えることがメインにはなっていますが、そんな中でも「絵本」の魅力を存分に感じるものもあります。
今日紹介させてもらう絵本は、わたしが1番好きな「あいうえおの絵本」です。
今日の絵本は、『あいうえおの本』です。
この絵本もまた、「あいうえお」という文字はありますが、それがひとつの芸術として描かれている素晴らしい傑作です。
平仮名ひとつひとつが、職人の手で作られた様な木の文字になっています。
書き順の説明や、その平仮名を使った単語の例なども一切ありません。
見開きのページには、平仮名と、その平仮名を頭文字とする単語の「絵」が描かれています。
それらが美しい額で縁取られているのですが、その額の中にも様々な隠し絵があり、それら全てがそのページの平仮名を頭文字としているものです。
見開き1ページ全てが、その平仮名の魅力を凝縮した様な作りになっています。
眺めているだけでも、ため息がでそうな程美しい絵本です。
文字のない絵本は、絵から物語を想像したり、言葉を読み取ったりしていく楽しさがあります。
この絵本も、平仮名という文字は確かにあるのですが、それも含めて「絵」から読み取る言葉達が沢山あり、とても面白いです。
文字や言葉を教え込まなくても、この絵本を通して自然と文字や言葉が子どもの中に入っていく気がします。
それは、安野光雅さんの絵が本物の芸術であるからこそ為せる技だと感じます。
安野さんもあとがきで、「文字を教えよう、というのではない、日本の伝統的な形と、ことばとを結びつけたかった。」と述べられています。
この絵本が文字を教える為に作られた「あいうえおの絵本」でないことが、よくわかります。
平仮名や言葉を知識として教えるのであれば、それに特化した教材を使う方が効率的です。
ですが、文字や言葉を体得し、本当の意味で身につけ、使うことができる様にする為には、こういった絵本を楽しみ、自然と子どもの中に浸透させてあげることが必要なんじゃないかな...と思います。
単純に芸術作品としても美しく素晴らしいこの絵本。
子どもだけでなく、大人の方も楽しむことができます。
いつまでも本棚にそっと置いておきたい1冊です。
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【166】『あいうえおの本』
福音館書店 1976/02
今日は地元に帰ったら必ず会う、というか最早会う為に地元に帰って来てる様な親友との日♡毎回時間が経つのが早く、会ってる時間が本当一瞬です。
それでもまだまだ話し足りない。笑
今日も子ども達と遊びつつ笑 沢山話してエネルギー補給して来ます♡
160106
ayumi◡̈⃝