『かぼちゃひこうせんぷっくらこ』
『かぼちゃひこうせんぷっくらこ (えほんライブラリー傑作選 9) 』
レンナート・ヘルシング 文
スベン・オットー 絵
奥田継夫 木村由利子 訳
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もうすぐ10月も終わり。
10月末と言えば、もう日本でも定番化してきたハロウィンですよね。
と言いつつ、我が家では特に何もしないのですが...。
ハロウィンらしい絵本を飾ったりしながら、なんとなーく雰囲気を味わっております。笑
息子がハロウィンの意味が理解できる様になったら...来年くらいかな?何かしたいなぁ。
ハロウィンと言えば、おばけの仮装、かぼちゃのランタン。
そんな絵本も沢山紹介したいと思いつつ、気付けばもうハロウィンも目の前です。笑
ということで、今日は1冊かぼちゃの絵本を紹介させてもらいます。
今日の絵本は、『かぼちゃひこうせんぷっくらこ』です。
おおくまくんとこぐまくんは、仲良く一緒に暮らしています。
ある日、何だかよくわからない種を見つけました。
とりあえず植えてみたら、どんどん成長し、どんどん大きくなり、気付けばおおきなおおきなかぼちゃが!
このままではかぼちゃに家が押し潰されてしまいます。
そこで2匹はかぼちゃの中へお引越し。
海へ、山へ、空へ、2匹はぷっくらこぉと楽しい旅へ出かけます。
スベン・オットーの可愛らしい絵柄が目を引きますが、内容は読み込めばなかなか哲学的です。
中でもおおぐまくんの言葉が、なかなかに深いんです。
おおきくなったかぼちゃの中には、何故だか水がたまっています。
おおぐまくんは、言います。
「みずも また たのし、ながぐつはけば......。」
雪が降ってきて、こぐまくんが「しろくまになるぞ」と慌てても、おおぐまくんはのんびり言います。
「ゆき また たのし、ひをたけば......。」
どんな逆境でも、慌てずその場を楽しもうとするおおぐまくん。
大人が読むと、何だか心にしみてきます。
そして、わたしが1番好きな2匹のせりふ。
飛行船になって空へと向かった2匹が言います。
「おおくまくん。ぼくたち、そらをとんでいると、"おもった"から、ぼくたち、ほんとうに いるんだね。」
「おもうこと また たのし、か!こぐまくん。」
もう、感服です。
深い!とても深いのだけど、なにせこれが「絵本」なので、その深さを変に感じさせないゆるさが残っています。
この出来事が、ほんとうに2匹に起こった出来事なのか。
「おもった」から起こった出来事なのか。
想像の世界と現実世界。
かぼちゃひこうせんは、その合間をいつも、「ぷっくらこぉ ゆったりこ」と漂っています。
子どもはきっと、いつもかぼちゃひこうせんに乗っている。
たまに現実に帰って来たかと思えば、気付けば空に浮かんでいたりする。
大人はなかなか、空へは行けません。
でも、「おもうこと また たのし」です。
たまには大人も、「ぷっくらこぉ ゆったりこ」と、かぼちゃひこうせんに乗ってみたい気がします。
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【96】『かぼちゃひこうせんぷっくらこ』
レンナート・ヘルシング 文
スベン・オットー 絵
奥田継夫 訳
木村由利子 訳
アリス館 1976/10
わたしが絵本を好きな理由のひとつに、「いつでもどんな気持ちであっても、絵本を開くと濁りのない自分になれる」ということがあります。
子どもはとても純粋で、濁りのない瞳をしています。
勿論子どもながらに考えること、感じること、様々な感情を持っていると思いますが、それでも色々な事を知り過ぎている大人よりもずっと、まっさらな心を持っています。
本も大好きです。
誰かの書いた物語や知恵に触れると、新しい何かを発見できたり、改めて考えたりすることができる。
そんな時間がとても好きだし、読書を通して得られるものは無限にあると感じています。
でも絵本は、本を読むことによって得られる「何か」とは、少し違うものを得られる気がします。
言葉で表すと、それが「童心」であったり、「純粋さ」「想像力」「楽しむ心」...。
日常生活の中ではなかなか味わうことのできない、「子どもの心」に、少しだけ近付ける気がします。
子どもと一緒に楽しむことも大好きです。
でも、わたし1人で絵本を開き、わたしも子どもの様に純粋に楽しむ時間もまた、大好きです。
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今日は昨日から主人が2連休なので、午前中息子の病院に連れて行ってもらって、午後からはふらっと2人で出てくれています。笑
その間にわたしは、家の掃除と日用品の買い物を。
ごちゃついていた本棚も整理しようと思いつつ、なかなか手が出せない´◡`;笑
鼻詰まりが苦しい午後ですが笑 有意義に過ごさなければです。笑
151028
ayumi◡̈⃝