『わにわにのおでかけ』
小風さち 文
山口マオ 絵
........................✍
随分と涼しくなって来た今日この頃。
京都では、地蔵盆と呼ばれる地域のささやかなお祭りが、先週末あちこちで開かれていました。
京都に地蔵盆という風習があるからか、小さな縁日を見ると夏の終わりと秋の訪れを感じます。
また、夜窓を開けていると、鳴く虫の声が変わった事に気付きます。
蒸し暑さはまだ残るものの、夏と秋がバトンタッチしている8月の終わり。
こんな日に紹介するのは、やっぱりこの絵本ですね。
今日紹介させてもらう絵本は、『わにわにのおでかけ』です。
まだまだ蒸し暑い夏の夜。
わにわには暑さから寝付けず、寝床を脱出します。
外ではみんな、どこか向かっています。
わにわにも出かけることに。
「ずり ずり づづづ」と向かった先は、なんと縁日。
わにわには縁日を楽しみます。
一見、怖そうなこの絵本。
擬人化されているワニではなく、リアルなワニですもんね。
人間の住む様なお家に住んでいるのに、二足歩行はしないんです。
でもこのわにわにが、またいい味を出しているキャラクターで。
この絵本でも、金魚すくいを楽しんだり、お面を眺めたり、行動が可愛らしい。
見た目はちょっぴり怖いけど、とても愛らしいわにわにです。
わにわにの風体と木版画がしっくりくるこの絵本。
シリーズものですが、作者の小風さちさんと山口マオさんは、シリーズの中でこの『おでかけ』が一番お気に入りなんだとか。
「ぎーちょ ぎーちょ」
虫の鳴き声が変わったなぁと思ったら、是非開いてみて欲しい1冊です。
........................✎
【31】『わにわにのおでかけ』
小風さち 文
山口マオ 絵
福音館書店 2007/09
この絵本を開くと、その木版画で描かれた世界に、古き良き日本を思い起こさせます。
蚊取り線香や畳、夏の終わりの香りが伝わって来そうです。
まだまだ想像力の未熟な子ども達は、文章や言葉だけでこの雰囲気を説明されても、大人の様に感じる事は難しいと思います。
でも絵本は、文章に加えて絵があります。
視覚的にわかりやすい絵があることで、子どもの想像力を手助けしてくれます。
そこが絵本の魅力のひとつですよね。
普通に生活していては、なかなか触れる事のない出来事や雰囲気も、絵本だと簡単に感じさせてあげることができます。
古き良き日本。
実生活ではなかなか触れることのない、でも子ども達にも感じて欲しい文化。
日本を感じる事のできる絵本も、まだまだ沢山紹介させて下さいね。
........................✂
昨日はおでかけ。
家族で嵐山まで行って来ました。
昨日まで、嵐山と大宮を繋ぐ嵐電に、妖怪電車が運行されてたのです。
電車の中に妖怪達が!
子ども達は勿論大泣き、パニック。笑
そんな中息子は、「おばけ!おばけ!よかい!!」と1人大喜び、近付いて来たらよしよししたり、握手したり...笑
妖怪達も苦笑です(´◡`;)笑
帰りも「おに、あくしゅあくしゅ!」と楽しそうでした。
まだまだ彼の中で、おばけや妖怪はお友達みたいです(´◡`;)
でもその感性は、忘れて欲しくないなぁとも思います。
150823
ayumi◡̈⃝