『おかあさんのいのり』
『おかあさんのいのり 』
武鹿悦子 文
江頭路子 絵
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8月9日。
この日、長崎に原子爆弾が落とされました。
広島だけでなく、この日も決して忘れてはならない1日です。
昔、社会科の資料集か何かで、長崎で被曝したお母さんと、そのお母さんのおっぱいをくわえている赤ちゃんの写真を見ました。
某然と遠くを見つめるお母さん。
赤ちゃんはその後、亡くなったそうです。
今でも記憶に残っています。
あのお母さんは、その時何を思っていたのでしょう。
今日ご紹介する絵本は、『おかあさんのいのり』です。
夜明けに産まれた小さな赤ちゃん。
赤ちゃんはお母さんに守られ、少しずつ大きくなります。
おくつをはいてのはらにいこうね
いっしょにうみをみようね
いっしょにかぜのおとをきこうね
家がある。家族がある。
学校がある。お友達がいる。
そんなささやかで当たり前の事を、戦争はすべて奪ってしまいます。
お母さんは言います。
この かわいい ても
いつか かあさんのてを つつみこむほど
つよく おおきくなるでしょう
そのてが どうか
銃など にぎりませんように
ともすれば、誰よりも戦争を起こして欲しくないと願っているのは、母親かもしれません。
どうか子ども達が生きる未来が、平和でありますように。
子ども達が大人になり、愛する人と出会い、小さな命を抱きしめられますように。
その命が生きる世界もまた、平和でありますように。
こんなシンプルな願いが、いつまでもずっと叶う世の中であって欲しい。
わたしもまた息子を強く抱きしめて、今日のこの日にこの絵本を読みながら、強く、平和を願います。
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【15】『おかあさんのいのり』
武鹿悦子 作
江頭路子 絵
岩崎書店 2015/07
絵本は子どもの為の本と言われます。
まだ文字の読めない子どもでもわかる様にお話に絵をつけたのが、絵本であることも間違いではありません。
ですが、子どもだけの本というわけでもありません。
柳田邦男さんは、人生には三度絵本を読むきっかけがあると仰っています。
まず自分が子どもの時。
次に自分が子どもを育てる時。
三度目は、自分が人生の後半に入った時だと述べられています。
(参考文献:『絵本の力』河合隼雄 松居直 柳田邦男 著 岩波書店 )
大人が自分の為に絵本を読む。
それもまた、絵本の楽しみ方のひとつだと思います。
この絵本も子ども向けというよりは、お母さんに是非読んでもらいたい絵本です。
ただ、大人が読むとどうしても文字を追ってしまい、文字を読み絵を見るという順序になってしまいます。
読み聞かせ会などでは、たまにお母さん向けに絵本を読んでくれたりもします。
耳で聞いて、目で見る。
1番絵本を楽しめる読み方だと思います。
機会があれば是非、大人の方も絵本を「読み聞かせて」もらってみて下さい。
また新しい発見があると思います。
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昨日は夜、久々におばあちゃん家でご飯で、息子は遅くまで興奮して駆け回ってました。
寝るのが遅くなってしまったから、朝の8時をまわりましたがついさっきまで寝てました。
まぁ、夏休みだしいいか。笑
お盆休み、義弟も帰ってくるみたいなのでまた賑やかになりそうです。
今朝は昨日いただいた天然酵母のパンで、家族揃って朝ごはん。
家族みんなでご飯を食べる幸せ。
当たり前と思いがちな日々を、当たり前と言える幸せが続きます様に。
150809
ayumi