さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『おやすみ、ぼく』

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アンドリュー・ダッド 文
エマ・クエイ 絵

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昼寝をほとんどしなくなっていた息子。
ですが最近、夕方になると眠くなるようでソファーの上でうとうとしてしまったり、何とか乗り越えた!と思った日は主人が早く帰って来てテンション上がってまた寝なくなったりで、夜なかなか寝付けなくなってしまいました。

昨日も寝たのが11時前。
寝かしつけているわたしの方が眠くて寝てしまったり。

GWの帰省もあったからか、何だか生活リズムが元に戻らない日々です。

寝る前の時間は、できるだけ心穏やかに過ごしたい。
起こってしまったり反省の日でも、「大好きだよ」笑顔で伝えてから眠って欲しい。
その為にも、生活リズムを整えなければと思います。

穏やかで優しい眠りに誘うのに、おやすみなさいの絵本はぴったりです。

この絵本もそんな絵本。
チンパンジーの子が、自分の身体のひとつひとつにおやすみなさいを告げていきます。

おやすみ、ぼくの あしさん
きょうも うーんと はしったね

おやすみ、ぼくの ひざさん
ありがとう ぼくを ささえてくれて

ひとつひとつ、その存在を確かめるようにページをめくり、繰り返しのリズムでゆっくりと穏やかな気持ちにしてくれます。

目を閉じて目にもおやすみなさいを告げると、夢がほら、すぐ側までやって来ます。

最後は大好きなお母さん。

おやすみ、おかあさん
もうちょっとだけ そばにいて
もうちょっと
もうちょっと
もうちょっと......

おかあさんはそっと「ぼく」のおでこに口付けます。

おやすみ ぼく
また あした

外国は、眠る時は母子分離が多いです。
最後のシーンも、「ぼく」は1人で眠っています。

日本はお母さんが側で眠ることが多く、個人的にもその方がいいと思っているので、できるだけお母さんが側にいることを子どもに伝えようと、最後のセリフはお母さんが「ぼく」に告げているイメージで読んでいます。

お話の流れでいうともしかしたら、「ぼく」自身が「ぼく」におやすみなさいを告げているのかもしれません。

でもこの言葉はお母さんの言葉として読みたい。
そんな風に色んな解釈で読めるのも、絵本の魅力のひとつのような気がします。

ゆっくりページをめくりながら、「おやすみなさい」と繰り返し、優しい眠りへと導いていく。

そんな幸せが、この絵本にはあります。


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【300】『おやすみ、ぼく』
アンドリュー・ダッド 文
エマ・クエイ 絵
クレヨンハウス 2009/04


160517
ayumi◡̈⃝