『はぐ』
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絵本の読み聞かせは親子のコミュニケーションツールであり、何かを教えたり教材として使うものではないと思っています。
今、絵本はかなりの数出版されていて、本屋さんへ行けば「何を買えばいいんだろう」と悩むくらいの沢山の絵本に恵まれています。
でもそれは決して手放しで喜べることではなく、中には子どもに与えるにふさわしいのか?とクエスチョンマークがつくような絵本もあるのが現実です。
絵本も出版物のひとつであり、出版社はやはり「売る」ことが大切になってくるので、どうしても本屋さんには「売れる」絵本が前面に出されてしまう。
勿論売れる絵本が全て商業目的で作られたわけではないだろうし、今日本で1番売れている絵本『いない いない ばあ』は間違いなく、素晴らしい絵本です。
絵本は子どもが、初めて出会う「本」であり、これから先の読書経験を大きく左右する大切なものだと思います。
だからこそ、子どもの為の絵本にこそ細やかな気を配らないといけないとも感じます。
勿論良書と呼ばれるものしか与えてはいけないのかといえば、そうでもないとわたしは思っています。
単純に親子で楽しめる絵本もまた、親子の触れ合いの時間を充実させるものであれば存分に楽しんでいいと思います。
でも一緒に読む絵本の中にも、是非「あなたのことが大好きよ」と伝わる様な、愛情たっぷりの絵本も混ぜてあげて欲しいとも思います。
今日紹介させてもらう絵本も、そんな「大好き」ということが直接的ではなく、自然と伝わる素敵な1冊です。
今日の絵本は、『はぐ』です。
しずかな海辺に現れたのは、しまうまさんとらくだくん。
あいたかったよー
はぐ していい?
そうして2匹はがっしりと、「はぐ」をします。
次に現れたのは、わにくんとぺんぎんさん。
こちらもやっぱり、しっかりと「はぐ」。
こうして感動の再会(?)を果たした者たちが、浜辺でぎゅーっと「はぐ」します。
夕日が沈む中みんなが言う言葉は、「あえて よかったー」。
文章も短く、展開も繰り返しで単純なのですが、この短い文章の中に沢山の愛情が詰まっています。
「はぐ」という言葉はとても短いですが、子ども達をぎゅーっと抱き締めながら読めば、その2文字はとても大きな力になります。
最後のシーン、「あえて よかったー」という言葉は、是非お母さんの気持ちをたっぷり詰めて言ってあげて欲しいと思います。
ダイレクトに「あなたが産まれてきてくれて嬉しい。大好きよ。会えてよかった」と言うわけではなく、出てくるのは動物達やちょっと変わったおじさんや女の子のきのこちゃん。
だからこそ、自然と「あえて よかったー」という気持ちが伝わるのだと思います。
2才〜4才向きとありますが、文章量は少ないのでもう少し小さなお子さんからでも楽しめるかな?とも思います。
読み聞かせの際は是非、お膝の上に座らせてあげて、「はぐ」と抱き締めながら読んであげて欲しいと思います。
何歳になっても読み聞かせてあげたい、そんな1冊です。
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【128】『はぐ』
福音館書店 2013/09
今日は宇治にある「キッズいわきぱふ」さんへ行って来ました。
息子のクリスマスプレゼントの下見...と思ったのですが、やっぱり決まらず。笑
あれやこれやと物色しながら、絵本も見ながらでしたが、息子はひたすらブリオの汽車で遊んでました。笑
こんなに好きならやっぱりブリオか...いや、でもレール系は慎重に与えたい...と葛藤中です。笑
1人でずっと、「てっきょうだー!がたごとーがたごとー」「しんかんせん、つながるかな?あ、つながったー!」などと叫びながら遊んでいる姿を見みたら、子どもは絵本の世界を生きているんだなぁと改めて感じました◡̈
151129
ayumi◡̈⃝