『きんいろのとき』

ロジャー・デュボアサン 絵
江國香織 訳
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うちの近くに田んぼ道があるのですが、そこを自転車で通ると季節の変わり目がとてもよくわかります。
つい最近まで青々としていたお米が、気付いたら黄色く色付き、最近は収穫の風景が多くなってきています。
きっとまたすぐにここには何もなくなり、やがて春が来て、また小さな緑の苗が行儀よく並ぶんだろうなぁ。
そんな事を思いながら、「お米だねぇ」と何とも表現力の乏しい会話をしながら笑 息子を乗せて走っています。
今日紹介させてもらう絵本は、秋の季節の移り変わりをとても綺麗に丁寧に描いてくれている作品です。
今日の絵本は、『きんいろのとき』です。
始まりは遅い夏の夕方。
きりぎりすがなきはじめ、秋の最初の冷たい空気を少し感じるようになってきました。
黄金色の小麦はゆたかに実り、刈り取り機で刈られてゆきます。
学校からの帰り道は、落ち葉で敷き詰められています。
果樹園でのたわわな実。
もえるように赤く、黄色く、そして金色の木々。
日が暮れると、はだかの木の向こうに見える、大きな美しい満月。
ハロウィンの夜が過ぎたら、感謝祭。
ご馳走を用意して、みんなで家の中で、秋の恵みに感謝をします。
ロジャー・デュボアサンの美しい絵や色遣いが、各ページに秋の命を吹き込みます。
黄色ではなく、正しく金色の自然。
真っ赤に売れた果実。
豊かな色味とは正反対の、静かで寂しい秋の夜に浮かぶ、真っ白な満月。
素晴らしい絵をより一層引き立てる、江國香織さんの訳がまた素敵です。
春夏秋冬ではなく、「秋」だけを切り取ってその移り変わりをここまで丁寧に綺麗に描いている絵本は、なかなかないと思います。
勿論ハロウィンのシーンも出て来ます。
秋の流れの中にハロウィンが位置付けられると、やっぱり行事としてしっくりくるなぁと感じます。
小さなお子さんには少し難しいかもしれませんが、大人の方も秋の夜長にしっとりと読める美しい絵本です。
秋の恵みに改めて感謝をし、ゆっくりと1ページ1ページ堪能しながら読みたい1冊です。
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【89】『きんいろのとき』
ロジャー・デュボアサン 絵
江國香織 訳
ほるぷ出版 1999/09
訳者の江國香織さんは、絵本好きの方でなくてもよくご存知だと思います。
有名な小説家の方です。
さすが物語を言葉で紡ぐお仕事をされているだけあり、江國さんの訳は、とても美しく秋を現してくれています。
タイトルの『きんいろのとき』ですが、原題は『AUTUMN HARVEST』。
直訳でなく『きんいろのとき』と表現するのは、さすがです。
この様に、翻訳本はタイトルが直訳ではないものが多いので、比べると面白いです。
翻訳者にも注目して読むと、また違った絵本のの魅力を発見できますね。
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今日は朝から児童館、公園でお昼を食べて走り回って本屋に寄り、帰っても家で遊んでいましたが、ふと見たらフローリングで力尽きてました。笑
それからまだ寝てる...2時間は寝てる?
そろそろ起こさないとまずいです。
と思いながら、もうここまで来たら今起きても同じかと半分諦めも´◡`;笑
夜は寝ないだろうなぁ。。
長い夜になりそうです。笑
151021
ayumi◡̈⃝