さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 駆け出しの絵本講師、1日1冊絵本を紹介しています◡̈

『おむすびさんちのたうえのひ』

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かがくいひろし

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お散歩をしていたら、息子が田んぼに向かって、「雨降ったみたいねぇ」と言いました。
何かと思ったら、田に水が。そろそろこの田んぼも田植えなんだなぁと思い、「お米さんを植える準備をしてるんだよ」と話しました。

夜になるとカエルの鳴き声もよく聞くようになりました。そろそろ我が家の近くでも、田植えが始まる様です。

地元でもGW辺りから田植えが始まっていました。
田舎育ちのわたしは、田植えの景色は日常。田植えの時期になると、通学路に耕運機から落ちた土が沢山たまり、雨が降ると靴を汚して嫌だった記憶もあります。笑

これから息子と散歩の度に、田植えの進捗度をチェックするのが日課になりそうです。

そんな田植えを面白おかしく描いた絵本がこちら。
あたたかみのあるユーモアを描かせたらピカイチのかがくいひろしさんの1冊です。

今日はおむすびさんちの田植えの日。
おとうさんと子ども達が、朝ごはんを食べながら田植えの日の役割分担について話しています。

子ども達はおうちのこと。
おとうさんは、1日田植えです。

田んぼに着くと、近くの村から手伝いのみんなが来てくれています。
おむすびむらの具のしゃけさん、たらこさん、おかかさん、うめぼしさん、こんぶさん。
おいなりむらやすしねたむらからも助っ人が来てくれます。

「なんの なんの おたがいさまじゃ」

この一言が、村同士のつながりやあたたかい人情を感じさせてくれます。

おむすびやおいなりなどお米なしでは存在しない食べ物の具達が田植えをするというユーモアもまた、かがくいさんらしくてくすっと笑えます。

せっせと田植えをして、お昼をみんなで食べて、日が暮れるまで頑張って。

田植えで真っ黒、くたくたになったみんなは、おむすびさんの家でお風呂に入って疲れを癒します。

明日はおいなりさんちの田植え。
またみんなで、楽しく頑張りましょう。

この絵本のおむすびさんちには、お母さんが出てきません。お母さんの写真が飾られていることやお母さんが登場しないことから、どうやら父子家庭の様です。

それでも真っ直ぐ素直に育っている2人の子ども。おとうさんや周りの人にしっかり愛情を注いでもらっていることが伝わります。

核家族が進み、隣近所との付き合いが希薄になっている現代だからこそ、この絵本に描かれている「家族以外の繋がり」がとても羨ましく、尊く感じます。

地元の田植えも、家族は勿論、親戚やご近所で協力してやっている風景をよく見かけました。

いつまでもその風景が残ればいいな。そんな風に思います。

そしてこの絵本、きっとかがくいさんは、田植えの後の稲刈りも描きたかったんじゃないかなと想像します。
おむすびさんちの稲刈りの日。
きっとこんな風だよと、いつか子どもと一緒に話しながら、この絵本を読みたいと思います。


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【309】『おむすびさんちのたうえのひ』
かがくいひろし
PHP研究所 2007/05


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ayumi◡̈⃝