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さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 駆け出しの絵本講師、1日1冊絵本を紹介しています◡̈

『もこ もこもこ』

ナンセンス絵本 赤ちゃんから楽しめる絵本 音の楽しい絵本
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子どもは擬音語、擬態語が大好き。
息子も赤ちゃんの頃から、『じゃあじゃあ びりびり』や『ごぶごぶ ごぼごぼ』が大好きでした。

音だけで紡がれる不思議な世界は、大人にはなかなか理解しにくいもの。
そんな中でも、わたしの中で1番「なんじゃこりゃ」だった絵本を、今日は紹介させて下さい。

恐らくこの絵本を開いて、「なんじゃこりゃ」と思われた大人の方はわたしだけじゃないと思います。
でも、読めば読む程、はまってしまう不思議な世界。

今日の絵本は、『もこ もこもこ』です。

地平線の様なものと、空の様なもの。
後は何も描かれていないページから、絵本は始まります。

右上には、「しーん」。

次のページに行くと、「もこ」と地平線の様なものから何か出てきます。
それは「もこもこ」と大きくなり、なんとその横に同類のものが今度は「にょき」と生えてきます。

それらは次第に勢力を拡大し、「もこもこもこ」「にょきにょき」と仲良く並んで大きくなっていったかと思いきや...

「ぱく」

えぇ!?
もこもこが、にょきにょきを食べちゃった!

もぐもぐ言ってるし!何か満足そうだし!

この辺りからもう、大人はパニックです。笑
でも子どもは、どんどんその世界に引き込まれる。

そんなもこもこから、今度は何やら「つん」と赤いできものの様なものが飛び出してきます。
「ぽろり」と落ちかと思いきや、今度はこれが「ぷうっ」と大きくなって、なんと、「ぱちん!」と弾けてしまった!

大きな権力が周りをどんどんと食べ尽くし、やがて内部から綻びが生まれて、大きく弾けてしまう。なんだか世の中の暗い所の縮図を想像してしまうのが大人の悲しいところですが、弾けた時の音が「ぱちん!」だからこそ、これは子どもの絵本として成り立っているのだといつも感じます。

これが、「どかーん!」とか「どぉん!」だと、何だか不穏な空気を感じてしまいますが、「ぱちん!」だと、まるで風船が割れたかの様な身近さで読み進めることができます。

さすが、谷川俊太郎さんです。

さて、はじけた後はどうなったのか?
それは是非、絵本をめくって確かめてみてください。

この後の言葉の運び、ページやテキストの使い方、そして最後のオチ!
どれを取っても素晴らしいとしか言いようのない、完璧な世界観がそこにはあります。

ナンセンスで何が何だかわからないのに、そのわからない世界観が確固たるものだということだけはわかる。
そんな、不思議な感覚に陥ります。

そしてまた、ページを最初からめくりたくなる。
子どもでなくとも何度でも読みたくなる、そんな仕掛けがしてあります。

こんな意味のわらないもの、なんて思わずに、是非子ども達と意味わからないまま、ただ楽しんでもらえたらと思います。

「なんじゃこりゃ」な絵本であることは今でも変わりませんが、その「なんじゃこりゃ」が癖になり、今では大好きな1冊です。

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【195】『もこ もこもこ』
文研出版 1977/04

今夜から妹がやって来ます。
息子と沢山遊んでもらわなきゃ!

京都にできた蔦屋書店にとても行きたい今日この頃。
シッターがいる間に行けるかな♡笑


160204
ayumi◡̈⃝