『はなをくんくん』

ルース・クラウス 文
マーク・シーモント 絵
きじまはじめ 訳
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今日は節分。
きっと色んなご家庭で、恵方巻きや豆まきを楽しまれたことと思います。
本当は今日も節分の絵本を紹介しようと思っていましたが、あっという間に1日が終わってしまい、もう節分の行事は各家庭では終わられた頃だと思うので。笑
また来年に、とっておきます。
春の節分に重きが置かれる様になったのは、室町時代頃からだそうです。
季節の変わり目、ということは、明日は立春。
そろそろ春の兆しをどこかで感じる様になる頃ですね。
春一番が吹いたり、小さな春の芽がちょこんと顔を出していたり。
春になると、本当に外の香りが変わるといつも感じます。
春の風には、色んな生命のあたたかさが宿っている様に思います。
今日紹介させてもらう絵本は、そんな小さな春を感じさせてくれる1冊。
明日はどこかで、こんな春が生まれているかもしれません。
今日の絵本は、『はなをくんくん』です。
辺り一面、まだ雪景色です。
のねずみも、くまも、かたつむりも、りすも、やまねずみも、みんな眠っています。
ところが、ふと、みんなが目を覚まします。
みんな、はなをくんくんさせて。
雪の中を、はなをくんくんさせながら、みんな駆けていきます。
みんなが止まった場所には、小さな黄色いお花。
「うわあい!」
みんなは喜んで叫びます。
「ゆきのなかに おはなが ひとつ さいてるぞ!」
初版が1967年のこの絵本。長く子ども達に愛されている、素晴らしい1冊です。
絵本は一貫して白黒で描かれています。
冬の色。静かな色。
眠っている者達は、みな静かです。
でも、どこからか春の香りをかぎつけてきて、みんな少しずつ目を覚まします。
だんだんみんなに表情が現れて、次から次へと同じ方向へ駆けていきます。
白黒で描かれたとてもシンプルな絵本なのに、みんなが駈け出すシーンは圧巻です。
そして見つけた、黄色い春。
絵本の中で唯一、色があるシーンです。
それまで白黒だったからこそ、この黄色が際立ち、みんなの喜びを思う存分読者へ伝えてくれます。
表紙もそんな黄色をメインとしているので、読んでいる子ども達もきっとこの絵本は「黄色い春の絵本」だと印象に残ると思います。
色を多用しなくても、喜びはしっかりと伝わります。
カラフルだとか、きらびやかだとかは、絵本にとってそこまで重要ではないのだと感じます。
節分が終わり、いよいよ春がそこまで来ています。
子ども達にもこの絵本を読んで、どこかで色付く春を見つけて欲しいと思います。
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【194】『はなをくんくん』
ルース・クラウス 文
マーク・シーモント 絵
きじまはじめ 訳
福音館書店 1967/03
節分の今日は、主人の実家に寄せてもらい、おばあちゃんの恵方巻きと鰯をいただきました◡̈*✧
豆まきは息子がまだ2歳で、豆は食べさせない方がいいということで、今回はお預け。
でも鬼のお面はちゃっかりかぶっていました♩笑
来年は誰かに鬼になってもらって笑 豆まきも楽しみたいです◡̈♡
160203
ayumi◡̈⃝