さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『いる いる だあれ』

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岩合日出子 文

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福音館書店さんより刊行されている月刊誌、こどものともシリーズ。
今月の年少版は、『くさむらのかくれんぼ』という写真絵本でした。

草むらの陰に隠れている虫たちを当てる絵本。
探し絵絵本とはまた違いますが、かくれんぼの要素もあり息子もお気に入りです。

探し絵絵本の代表作と言えば、五味太郎さんの『きんぎょが にげた』。こちらも絵の中にかくれているきんぎょを探す絵本ですが、長く広く子どもたちに愛されている絵本です。

「どこにかくれているんだろう?」
「かくれているのは何だろう?」
こういったワクワク感は 、子どもは大好きですよね。

今日紹介させてもらうこちらの絵本も、そんなワクワク感の詰まった絵本です。

動物のシルエットの写真と、なぞなぞの様な文章。

「からだが がっしり
あたまに つの2ほん
しっぽを やさしくふっている
だあれ」

答えは、「さい」。
ページをめくると、さいの親子の写真です。

岩合光昭さんは、動物写真家として有名な方です。
野生動物の一瞬一瞬を写真に収め続けている方なので、シルエットの写真からもその動物の息遣いを感じる気がします。

写真だけ見てもどれも素晴らしいものですが、それに遊び心と動物への愛が感じられる岩合日出子さんの文章が重なり、絵本としての魅力が増しています。

わたしは個人的に写真絵本は好きなのですが、写真なら何でもいいかと言われたらそうではありません。
特に絵本にする写真は、見るだけで物語を感じられるものでないと絵本には相応しくないと思っています。

絵本は「絵を読む」もの。
だからこそ、絵が写真となった時に、その写真からも読める何かがないと絵本としては成り立たないと感じます。

そういう点でも岩合さんの写真絵本は、とても優れていると思います。
写真1枚1枚から、それぞれの動物の物語が浮かび上がる様です。

なぞなぞの様な文章ですが、それぞれの動物の特徴や性質をよく捉えているものでもあります。そんな文章を楽しみながら、是非それぞれの動物の物語を心の中に思い浮かべてみて欲しいと思います。


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【258】『いる いる だあれ』
岩合日出子 文


160405
ayumi◡̈⃝