『ぼちぼち いこか』
『ぼちぼちいこか 』
マイク=セイラー 作
ロバート=グロスマン 絵
今江祥智 訳
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この春から絵本講師として活動の幅を広げていきたいと思っているのですが、そんな時にとても素敵なご縁をいただくことができました。
紡ぐ言葉がとても素敵で、多くのお母さん方の力となり、支えとなっている方です。
そんなマリアさんが主宰の「ちいさな森」という活動に、絵本講師として参加させていただくこととなりました。
憧れの子育てをされている方にお声をかけていただけて、本当に嬉しく思いますし、マリアさんの思いの沢山詰まったとても素敵な活動に、微力ながらも尽力できたらと思っています。
わたしは6月24日に、絵本講座をさせていただくことになっています。
そこでは絵本の選び方や枝葉の広げ方などをより詳しく話していけたらと思っています。
開催場所は大阪の高槻市の予定です。
また詳細が決まり次第、こちらでも告知させていただけたらと思います。
絵本講師として、わたしはどんなことを伝えたいのか。
絵本の力、親子で絵本を楽しむ時間の大切さもそうですが、「ゆっくり のんびり 焦らずに」絵本を楽しむこともまた、伝えていきたいと思っています。
子育てもそうですが、焦っていいことはありません。
今しかない時期を大切にして欲しい。
他の子より遅れてるとか、普通はできるのにできないとか、そんなことを気にするより今目の前にいるその子のその瞬間を見てあげて欲しい。
絵本は焦って読めません。
絵本を開くときは、ゆっくり座って、子どもとその時間と空間を共有します。
片手間でできることではありません。
だからこそ、子育てに絵本を取り入れてみて欲しい。
絵本を読む時間は、立ち止まれます。
真っ直ぐにお母さんの声を、愛情を、伝えてあげることができます。
その時間は、「早く早く」の子育てとは真逆です。
絵本も、焦らなくていいんです。
いつまでも赤ちゃん絵本ばかり読んで、なんて言わないで下さい。
赤ちゃん絵本を読みたがれば、大きくなっても是非お膝で読んであげて下さい。
「もうそろそろ物語のあるものを読んで欲しい」
「同じ絵本ばかりじゃなく、少しは違う絵本を読んで欲しい」
そんな親の思いもあるかと思いますが、せっかくの絵本の時間なんです。是非焦らずのんびり過ごして下さい。
ちゃんと絵本を楽しむことを知っている子は、焦らなくても自然と先へ進みます。
道順さえ間違えなければ、前へ前へとゆっくりでも歩いていけます。
早く早くと駆け足で絵本を先へ進めても、子どもはまだまだ後ろを楽しみたい。振り向き振り向き進んだ道は、記憶に残りません。
日常生活はどうしても時間との戦いになりがちですが、せめて絵本の時間は、ゆっくりのんびり焦らずに、子どもに合わせて楽しんでもらいたいと思います。
そんなことを考えると、思い浮かぶ絵本はこの絵本。
今江祥智さんの関西弁の訳がぴったりはまる、「のんびり」な絵本です。
色んな夢があって挑戦するものの、まるでコメディの様に失敗するばかり。
あれもうまくいかない、これもうまくいかない、自分は何にもなれへんのやろか。
...ま、そんな時はええこと思いつくまで、ちょっとひとやすみ。
うまくいかなくても、失敗しても、大丈夫。
焦る必要なんて全くない。
ぼちぼちいこか。
のんびりいこや。
「早く早く」と言われる今だからこそ、子どもには勿論大人にも、この絵本は必要なんじゃないかと思います。
自分のペースでいい。
ゆっくりのんびりでいいから、自分の思う道を進んでごらん。
1人でも多くの子どもが、そう言ってもらえる世の中であって欲しいと、そう思います。
ゆっくり のんびり 焦らずに。
親子の絵本の時間を、一緒に楽しみましょうね。
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【256】『ぼちぼち いこか』
マイク=セイラー 作
ロバート=グロスマン 絵
今江祥智 訳
偕成社 1980/07
160403
ayumi◡̈⃝