『きんのたまごのほん』

『きんのたまごのほん 』
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作
レナード・ワイスガード 絵
渡辺茂男 訳
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今日はイースター。
日本ではあまり馴染みのないイベントですが、百貨店にコーナーができていて、そこで何やらイースター関連の雑貨を女の子達が手作りしていました。
イースターだからといって本場さながらのイベントは何もできませんが、我が家はこの絵本を今月は飾っていました。
絵本は、小さな芸術だと思っています。
本当に良質なな絵本は、いくつになっても本棚にあって恥ずかしくないものだと聞いたことがあります。
例えばプラスチックのおもちゃが大人の部屋にあったら少し違和感でも、木のおもちゃがインテリアとして飾ってある空間はよく見かけますし、素敵です。
それと同じ様に、いつまでも色褪せない魅力をもつ絵本も必ずあると思います。
絵本の芸術性は多種多様です。
見るからに美しいとわかる、西洋的な芸術性を兼ね備えている絵本もありますし、例えば長新太さんの作品なんかも間違いなく、芸術的に素晴らしい作品です。
そして今日紹介させてもらうこの絵本、『きんのたまごのほん』は、もうかざつているだけでもうっとりと美しく眺めていたくなる絵本です。
お話は素朴でとても可愛らしいものです。
ある日うさぎが見つけたきんのたまご。
一体何が入っているのか想像し、気になって仕方ないのですが、なかなかたまごは割れません。
とうとう疲れて寝てしまいますが、うさきが寝ている間にたまごが割れて、中からひよこが産まれます。
せっかく明るい世界に出てきたのに、目の前にいるうさぎは眠っていて、面白くないひよこ。
今度はひよこがうさぎを起こそうと、あれこれ試していきます。
うさぎがやった様にひよこもやるので、繰り返しが面白いお話です。
最後はちゃんと2匹仲良くともだちになるので、ほっとあたたかな気持ちにもなれます。
そして何より素晴らしいのが、レナード・ワイスガードの美しい絵。
全ページ、たまごの枠組みの中で絵が展開されていて、構成そのものもとても芸術性の高いものとなっています。
どのページをめくっても、まるで小さな美術館を訪れているかの様な素晴らしい絵ばかり。
表紙、裏表紙は勿論、見開きや背表紙まで細かく丁寧な絵とデザインで、ため息ものです。
絵本には様々な芸術性があり、ナンセンスな絵本や大人が顔をしかめる様な絵本でも素晴らしいものは沢山ありますし、そういった絵本も子どもと楽しみたいと思いますが、こうした芸術的に「美しい」絵本も過不足なく、子どもに見せてあげたいと思います。
良い絵本、悪い絵本、そういった分類はしたくありませんが、この絵本は間違いなく、「良質な絵本」です。
大人の方にプレゼントとして贈っても恥ずかしくないと思います。
是非全ページ、その美しさを堪能してみて下さい。
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【248】『きんのたまごのほん』
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作
レナード・ワイスガード 絵
渡辺茂男 訳
童話館出版 2004/07
160327
ayumi◡̈⃝