『めうしのジャスミン』
『めうしのジャスミン 』
ロジャー・デュボアザン 作・絵
乾侑美子 訳
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今日は、幼稚園のプレの事前申し込みの日でした。
プレと言っても月に2回の登録制のもので、本格的に通うわけではないですが、いよいよ息子の幼稚園探しも本格的になるんだなぁと少しドキドキ。
この1年かけて、息子の幼稚園はゆっくり探そうと考えています。
まだまだわたしとべったりな息子が集団生活を送ることを想像すると、信じられなかったりちょっと寂しかったり。
集団生活になると、「足並み揃えて」が当たり前の様になってきます。
みんなと同じ時期に、同じことができる様に。
先日友人がとある幼児教室の営業さんに話しかけられた際に、「年中さんだとみんな平仮名が書けて当たり前ですよ」と言われたそうで、話を聞いただけのわたしも何だかモヤモヤを感じてしまいました。
みんなできて当たり前。
みんなと同じが1番。
これから集団生活を送る際に、きっとこんなことを感じる場面が沢山あると思います。
それでも、親であるわたしだけは比べずに。
他人のものさしではなく、自分のものさしで。
息子が得意なこと、苦手なこと。好きなこと、嫌いなこと。
同じでなくてもいいんだよ。そう言ってあげられる存在でいたいと感じます。
今日紹介させてもらう絵本に登場するめうしも、ちょっぴり変わっためうしです。
でもその姿は、わたし達に勇気を与えてくれます。
今日の絵本は、『めうしのジャスミン』です。
めうしのジャスミンも、周りとはちょっと違います。
と言うのも、拾った帽子を気に入ってずっと被っているのです。
勿論、農場の動物達の中でそんなことをしてるのはジャスミンだけ。
周りはジャスミンに「自分だけ、みんなとちがっているのは いやでしょう?」と言います。
でもジャスミンは気にしません。
「あなたは あなたのおもうように すればいいのよ」
凛として言い切るジャスミンは、何とかっこいいことでしょう。
他の動物達も最初はジャスミンをけなしていましたが、次第にその帽子を真似てみたくなり、一斉に帽子をかぶりだします。
農場、帽子ブームです。
そんな周りを客観的に見ていたジャスミン。
今度はなんと、あんなに気に入っていた帽子を脱いでしまいます。
これにはみんな、激怒です。結局目立ちたいだけだと動物達はジャスミンを罵ります。
でも果たしてジャスミンは、そんなつもりで帽子を脱いだのでしょうか?
「みんなが被るから帽子を被る」
「みんなが脱ぐから帽子を脱ぐ」
そうではなく、被るのも脱ぐのも自分の意思で選ぶべきだと、ジャスミンはその行動で示しているのだと思います。
その結果周りと同じ格好になったとしても、それはそれでいいんです。
そこに自分の意思があるか。それが大切なのだと、この絵本は伝えてくれる様に思います。
自分が自分であることの大切さ。そんなことを感じます。
育児の中で避けて通れない、「平均」の道。
身長や体重、学力、運動能力。
学校が始まれば、テストの平均点だって出されます。真ん中を基準に、物事は進みます。
他の子は出来るのにこの子はまだできない。
他の子はみんなこれが好きなのに、この子は別のことばっかりやってる。
何でみんなと同じ様にできないんだろう。
そんな風に悩んでしまった時は是非、このめうしのジャスミンに会いに来て下さい。
ジャスミンは相変わらず凛とした佇まいで、こう言ってくれると思います。
「それでいいんじゃない? わたしは、わたしのおもうのうにするわ。だれでも、その人らしくすればいいのよ」
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【216】『めうしのジャスミン』
ロジャー・デュボアザン 作・絵
乾侑美子 訳
童話館出版 1996/07
ロジャー・デュボアザンは、わたしの大好きな作家さんです。
自分が自分であることの大切さに気付かせてくれる作品が沢山あります。
息子にはまだ早い絵本が多いので、今はわたしがわたしのために、楽しんでいます◡̈♡
160225
ayumi◡̈⃝