さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『ぽとんぽとんはなんのおと』

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平山英三 絵

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今日は大寒
暖冬と言いながらも、冬の寒さはしっかりと暦に合わせてやって来るものなんですね。
それでもこの寒さの一段と厳しい時期が今年は短いので、過ごしやすい冬だった様にも思います。

と、冬が終わった様な言い方ですが笑 今が1番寒い時期なので、この寒さを抜けたら、後は春に向かって暖かくなる一方ですね。

大寒は1年で1番寒い時期でもあり、冬の終焉を感じさせる日でもある様な気がします。

そんな今日紹介させてもらう絵本は、この絵本。
冬から春へ。本物の文章と絵が、季節の変わり目を伝えてくれる1冊です。

今日の絵本は、『ぽとんぽとんはなんのおと』です。

冬ごもりの穴の中で、双子のくまのぼうやが生まれました。

外はまだ冬の真っ最中。
子ども達は、おっぱいをのみ、くうくうねむって、穴の中で大きくなります。

ある日のこと、ぼうやはかあさんに尋ねます。

「かーん かーんって おとが するよ。かーん かーんって なんの おと?」

かあさんは優しく答えます。

「きこりが きを きる おとでしょう。」

穴の中で暮らすこぐまにとって、聞こえてくる音が外の景色そのものです。

「ほっほー ほっほー おとが るよ。ほっほー ほっほーって なんの おと?」

「かあさん、ちょっと きいてごらん。つっぴぃ つっぴぃ おとがするよ。つっぴぃ つっぴぃって なんの おと?」

「どどー どどーって おとが するよ。どどー どどーって なんの おと?」

「ぽとん ぽとんって おとが するよ。ぽとん ぽとんって なんの おと?」

鳥の鳴く声や、雪どけの音が次第に聞こえて来るようになり、徐々に季節は春へと向かっていることがわかります。

やがてあたたかな春風が、穴の中のぼうや達に花のにおいを運んできてくれます。
雪がとけ、ようやく春がやって来たのです。

神沢利子さんの見事な文章と、平山英三さんの美しく優しい絵が、とてもしっくりとくる1冊です。

平山英三さんは、『くだもの』でお馴染みの平山和子さんの旦那さん。
美しい絵本を手掛けられる、何とも素敵なご夫婦です。

こぐま達は穴の中で、お母さんにしっかりと守られ抱きしめられながら、春になるのを待っています。

春になると、ようやく外の世界へと一歩踏み出します。

乳幼児期の子ども達も、きっと今はこの冬ごもりのこぐま達と同じ様に、お母さんにしっかり守られながら大きくなっていく時期。

やがて大きくなり自分の足で一方踏み出す時に、お母さんにしっかりと抱きしめてもらいながら外の世界のことを優しく教えてもらっていた記憶は、子ども達の支柱にきっとなると思います。

冬から春へ。季節の移り変わりと共に、母子の深い繋がりも感じさせてくれる絵本です。

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【181】『ぽとんぽとんはなんのおと』
平山英三 絵

今日は息子と一緒に久々によく行く本屋さんへ。

我が物顔で絵本コーナーを物色しては、「これお家にあるねぇ。」と言いながら大声で読み始める息子。笑

あくまで売り物なので、母はいつも丁寧に扱っているかひやひやしながら見守るのですが´◡`;
この本屋さんは、子ども目線で陳列をして下さっていることが本当に良くわかります。

見本をしっかり置いてくれたり、小さな椅子を沢山用意してくれていたり。

最近は絵本コーナーでもパッキングされ中身が見れなくなっているものも多いです。

基本店員さんに言えばあけて下さいますが、絵本は中身を見て読んで選ぶことが大事だと思っているので、こういった子ども達に自由に読ませてくれる雰囲気のある本屋さんは、とてもありがたいです。

マナーは親がしっかりと守りながら、子ども達に絵本を選ばせてあげたいなぁと感じます◡̈*✧


160121
ayumi◡̈⃝