『おにぎり』

平山英三 文
平山和子 絵
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今日は少し遠くの児童館であった「絵本の魅力・与え方」という講座に参加して来ました。
朝7時半にお弁当持って家を出て、着いたのは10時半。笑
住んでいる地区を言うと、児童館の方にはかなり驚かれました。笑
でも行ってよかったと思えるお話や読み聞かせもあり、息子も最後まで絵本の読み聞かせを楽しんでくれていたので、良かったです。
「良い絵本」という絵本は確かにありますが、個人的にどうしても、「良い絵本」という言葉を乱用したくはありません。
「良い絵本」というと、その対極にある「悪い絵本」の存在を認めてしまうようで...。
確かに、「これを子どもに手渡すのは...」と思ってしまう絵本もあります。
ですが、それを一概に「悪い絵本」だとはわたしには言えません。
子どもには向いていなくても、大人には楽しめるものかもしれない。
なので、比較的幅広くどんな絵本でも子どもに与える事に否定的ではありませんが、その中で是非、成長過程に沿って子どもに与えて欲しい絵本というのは必ずあると、今日改めて感じました。
それが「良い絵本」なのかもしれませんが、ここは敢えて偏屈なわたしは笑、「心の栄養となる絵本」だと言わせて下さい。
人間、身体の成長には必ず栄養が必要です。
でも、まだ離乳食の赤ちゃんの頃から栄養満点だからと言って大人と同じ食事を与える人はいませんよね。
赤ちゃんには赤ちゃんの栄養が、子どもには子どもの、成長過程に応じた栄養が必ず必要となってきます。
心の成長も同じで、その時々に必要な栄養があります。
成長過程に応じて必要な栄養。
そんな栄養を、絵本を通して与えてあげたい。
そんな風に思います。
前置きが長くなりましたが、今日紹介させていただく絵本も、正にそんな「心の栄養となる絵本」だと思います。
今日の絵本は、『おにぎり』です。
表紙には見るからに美味しそうなおにぎり。
絵本の中で、そのおにぎりができるまでの過程が描かれます。
まずはごはんをたいて、てのひらに水をつけて、塩をつけて。
ごはんを乗せて、梅干し入れて。
ぎゅっ。ぎゅっ。
くるっ、くるっ、くるっ。
たくさんできたら、のりをまいて。
さあ、おにぎり できあがり。
完成したおにぎりは、人の手で愛情込めてにぎられた事がよくわかる、丸みのある美味しそうなものばかりです。
絵本の裏表紙には2才からとありますが、1才半くらいからだと十分楽しめるかな?と思います。
ぎゅっ、ぎゅっと真似をして作ってみたり、実際に読んだ後におにぎりを一緒に作って食べてみたり。
絵本を通して親子のコミュニケーションが沢山取れる、素敵な1冊です。
平山和子さんの絵本は、何と言っても絵が素晴らしい。
『くだもの』も有名ですが、この絵もまた素晴らしいです。
背景が白地で、おにぎりを作っている人の顔や身体は出てきません。
大きな優しそうな手のひらだけです。
この手はお母さんかな?お父さんかな?それともおばあちゃんかな?
子ども達は白地の背景の向こうに、沢山想像を広げる事ができます。
背景がごちゃごちゃと描き込まれていない。
この時期に与える絵本として、大切な要素でもあると思います。
日本人の心である「おにぎり」。
この栄養を、是非子ども達の心にも届けてあげて欲しいと思います。
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【123】『おにぎり』
平山英三 文
平山和子 絵
福音館書店 1992/09
「心の栄養となる絵本」と紹介させてもらいましたが、じゃあそれ以外の絵本は与えるべきではないのか?と言われたら、わたしはそんな事はないと思っています。
あくまでもわたし一個人の考えですが、絵本は親子のコミュニケーションツールであり、親子で楽しめる事が何よりも大切だと考えています。
ですので、単純に「楽しめる絵本」が読み聞かせの中にあっても良いと思います。
「心の栄養となる絵本」は是非、過不足なく与えてあげるのが理想だと思いますが、それ以外の絵本も親子で楽しめるのなら思う存分、与えてあげて楽しんでも良いと思います。
我が家も単純に楽しい絵本、大好きです。
沢山読んでます。
どんな絵本が「心の栄養となる絵本」なのか、それ以外にはどんな絵本があるのか、どんなバランスがベストなのか...わたしも更に考え、学び、自分の子育てにも活かしていきたいと思いました。
相変わらず長々としたBlogですが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
151124
ayumi◡̈⃝