さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『はるにれ』


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はるにれ (日本傑作絵本シリーズ) 』

姉崎一馬


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今日は木の日だそうです。


木を題材に扱っている絵本も数多くありますが、1番に浮かぶ絵本はこの絵本です。


個人的にとてもとても好きな絵本。

絵本と言っても、全て写真です。

そして文字は、全くありません。


でも沢山のことば達が、この絵本には詰まっています。


今日紹介させてもらう絵本は、『はるにれ』です。


北海道の十勝平野にそびえ立つ、1本の木はるにれ。


冬を目前にした秋から、この絵本は始まります。


やがて雪が降り、北海道の厳しい冬がやってきます。


はるにれにも雪が積もり、辺り一面銀世界。


そんな厳しい冬もやがて終わりを告げ、緑眩しい春へと変わって行きます。


春夏秋冬。

朝、昼、夜。


1本のはるにれを中心に、この絵本には確実に時が流れています。


銀世界の中に凛と立つはるにれ。

そのはっとする様な美しさに、絵本を開く度に感動させられます。


最初に述べましたが、この絵本には文字は全くありません。


ですが、はるにれを取り巻く自然の美しさ、厳しさ、雄大さ。


太陽や月のひかりがまるで語りかけてくるかの様に、無限のことばがこの絵本には詰まっていると思います。


感じたことを親子で話してもいいし、1人言葉にせずにゆっくりと開いてもいい。


少し深呼吸をしたくなった時に、この一本の木にパワーを分けてもらってもいい。


どんな時でも、変わらず根を張り、はるにれはそこに在ります。


どんな人でも、どんな気持ちでも、優しく大きく包み込んでくれる。


それが、『はるにれ』です。


目安は4才からとありますが、文字がない分何歳でも楽しめると思います。


嘘偽りのない「写真」だからこそ、伝わるものが大きな絵本です。


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【76】『はるにれ』

姉崎一馬 写真

福音館書店 1981/11


文字がないとどう読んでいいのかわからない、そういった声もよく聞きます。


大人はどうしても文字を読む事に慣れてしまっているので、文字がないと確かに若干戸惑ってしまいますよね。


でも、子どもはまず文字ではなく、絵を見ます。


大人が思うよりもずっと簡単に、文字がない絵本を「読む」事ができると思います。


文字があると大人はまず文字を読み、絵を見ます。

そんな大人でも真っ先に絵を見ることができる。

そして色々、想像を広げる事ができる。


文字のない絵本は、大人にこそとても魅力のある絵本だと、わたしは思います。


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ここ数日夜中や息子のお昼寝中にガサゴソ整理整頓して、ようやく家の中がスッキリしてきました。


まだキッチンの整理整頓が残っていますが(´◡`;)笑


年末に慌てて大掃除しなくてすむ様に、今からコツコツ進めたいです。



151008

ayumi◡̈⃝