『どんぐりぼうやのぼうけん』
『どんぐりぼうやのぼうけん 』
エルサ・ベスコフ 作
石井登志子 訳
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暑くて暑くて外に出るのも大変だった夏が終わり、公園で遊ぶ親子の姿もだんだん戻って来ました。
落ち葉やどんぐりも増えて、子ども達の遊びの幅も広がります。
秋の空気を感じると、幼い頃、神社の境内の裏で木の実を拾ったり、裏山に探検に行ったりした事を思い出します。
今日紹介させてもらう絵本は、ちょっとした秋の冒険のお話です。
冒険の主人公は、とっても可愛いどんぐりぼうや。
今日の絵本は、『どんぐりぼうやのぼうけん』です。
どんぐりぼうやのオッケとピレリルは、高いかしわの木に両親と住んでいます。
秋になり、嵐がかしわの葉をさらいます。
ひこうきごっこができる!と2人は大喜び。
ですが、葉っぱは空高く舞い上がり、あっという間に遠くのひげの山に飛ばされてしまいました。
落ちた先は小人の洗濯屋さん。
落ちた衝撃で、洗濯物が汚れてしまいます。
怒った小人のおばあさん達は、2人に森中の洗濯物を運ばせるおつかいをさせる事に。
さて、家ではお母さんが2人を探しています。
家にやって来たはしばみ夫人も心配そう。
はしばみの子どもヌッタも、友達が心配でたまりません。
偶然家にやって来たりすのスバンス氏のしっぽに潜り込み、2人を探す冒険へ出かけます。
好奇心旺盛などんぐりぼうやのオッケとピレリル、心配性でちょっぴり怖がりのヌッタは、どこにでもいそうな子どもの姿そのものです。
些細な事が大冒険になる子どもの世界。
大人から見たら「危ない!」と言ってしまいそうな事も、その好奇心でどんどんやってのけてしまいます。
現代の子ども達は、なかなか冒険の場がありません。
本当に「危ない」場所が多いからです。
好きなだけ駆け回っていい場所が限られている。
冒険できる場所は、用意された場所。
でもそれって、本当の冒険にはならないですよね。
幼い頃、設備の整った公園よりも、神社の裏山が好きでした。
プールや海も好きでしたが、整備されていない川を探るのも好きでした。
今、そういった場所がどんどんなくなってしまっています。
この絵本には、限りない自然とファンタジーが描かれています。
きのこのお家やペットのカタツムリ、ちょっと怖いトロルや、手作りのいかだ。
どれも子ども達が憧れる世界。
大人も一度は、小さな小人になって世界を見てみたいと思った事があると思います。
実体験できる場所は限られてきています。
用意された自然が、子ども達の冒険の場所になっているのも、少し悲しい気がします。
そんな時は、絵本に広がるファンタジーの世界を、是非親子で冒険してみて下さい。
絵本で冒険を体験した子ども達は、もしかしたら用意された自然の中でも、想像力を働かせて大冒険できるかもしれません。
大人が考えるよりもずっと、子どもの想像力はたくましいのかもしれませんね。
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【46】『どんぐりぼうやのぼうけん』
エルサ・ベスコフ 作・絵
石井登志子 訳
童話館出版 1997/10
作者のエルサ・ベスコフは、スウェーデンの作家です。
小学校の教師を経て、絵本や児童書の挿絵の仕事を始めます。
彼女の作品は、どのページをとっても一枚の絵葉書の様に美しく、眺めているだけでも心揺さぶられます。
ファンタジーから生活の場まで、幅広い世界を描いています。
その美しい絵や物語は、是非子ども達に体験してもらいたいものばかり。
そして大人にもまた、ゆっくりとページを開いて、その世界を隅々まで堪能してもらいたいです。
個人的に、とても好きな絵本作家の1人です。
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昨日まで母と妹がいたので、今日から通常運転です。
息子も普段より賑やかだったのでテンション高めでした(´◡`;)
昨日は疲れてわたしも息子も早々に就寝。笑
昨日の夕方は風が強く、久しぶりに「寒い」と感じました。
台風が近付いて来ています。逸れたらいいなぁ。
150908
ayumi◡̈⃝