『おひさまとおつきさまのしたで』
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作
黒井健 絵
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9月に入り、一気に夕方が短くなってきた様に思います。
つい最近まで19時頃まで明るかったのが、もう18時でも夜だと感じる様になりました。
秋の夜長に子ども達と絵本を楽しむのもまたいいですね。
夜読みたい絵本と言えば、やっぱり眠りを誘う絵本。
お月様が綺麗な秋、お月様の絵本と並んで、おやすみなさいの絵本もよく本屋さんでも見かけます。
今日はそんな、おやすみ前に読みたい1冊を。
今日紹介させてもらう絵本は、『おひさまとおつきさまのしたで』 です。
おやすみ こうさぎ
また あした
おひさまのしたで いっぱい あそび
おつきさまのしたで ぐっすり ねむれ
おやすみ こうさぎ
もう ねむい
あしたは きょうより おおきくなるわ
マーガレット・ワイズ・ブラウンのあたたかく優しい言葉が紡がれます。
こうさぎ、こねこ、ふくろう、こいぬ。
小さな者達は皆、母親の腕に抱かれて眠ります。
黒井さんの柔らかなタッチの絵が、その安心感を表現している様です。
子どもはいつだって母親の側が一番安心します。
我が家の息子も、いつもわたしの胸の音を聞きながら眠っています。
どんな絵本でもそうですが、特におやすみなさいの絵本は、母親が側にいる事をしっかりと描かれているとわたしは安心します。
この絵本も動物達は皆、母親と一緒に眠っています。
ですが、最後のシーン。
女の子と男の子が眠りに着くときに、母親の姿はありません。
それだけがとても残念。
とても素敵な絵本です。
それだけに、何故母親の姿を描かなかったのか、わたしなりにいつも考えています。
動物達は母親の姿があるのに、女の子と男の子の母親の姿はない。
外国では眠る時、母子分離が主流です。
作者はブラウンなので、その外国の習慣を踏襲してるのかもしれません。
ですが、わたしは、読み手が母親であるからこそ敢えて描かなかったのかな、とも思います。
きっと子どもは最後の女の子、男の子を、自分の姿と重ねると思います。
その時に自分のお母さんが側にいて、頭を撫で、優しい声を聞かせてくれている。
その事が何よりも安心感に繋がります。
子どもが1人で読む絵本ではない。
親が、母親が、その声で優しく読み聞かせてあげて欲しい。
その安心感の中で、子どもは眠りについて欲しい。
勿論これは、わたしの勝手な解釈です。
作者がそんな意図を持っていたかどうかは定かではありません。
ですが、わたしは絵本は基本、大人が子どもに読み聞かせてあげて欲しいと思っています。
特に眠りを誘う絵本は、母親の優しい声で読んであげて欲しい。
この絵本も、是非お母さんが、又はお父さんが、眠る前にしっかりと側で読んであげて欲しいと思います。
そして一番の安心感の中で、子ども達におやすみを伝えてあげて欲しいと思います。
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【50】『おひさまとおつきさまのしたで』
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作
黒井健 絵
教育画劇 2010/09
おやすみなさいの絵本は、特に沢山出版社されている様に思います。
絵本を読む時間=眠る前という習慣がある家庭も多いですし、絵本を読みながら子どもが眠る事もあると思います。
子どもにとって、それは何よりも幸せな瞬間だと思います。
ですが、おやすみなさいの絵本は「子どもを寝かしつける為の絵本」ではないと、わたしは思います。
勿論、繰り返しのリズムが多かったり、優しい色使いのものが多かったりで、子どもの眠りを誘う絵本は多いです。
ですが、寝かしつける為に読むのではなく、子どもが安心して眠れる様に読む。
寝る前の最後の時間を優しく過ごす為に読む。
出来れば、そうであって欲しいと思います。
結果として子どもがすんなり寝てくれたら、それで親は大助かりですが。笑
気持ちの問題かもしれませんが、「これ読んで寝て!」と思うより、一緒にゆったりと読む方が、大人も絵本を楽しめると思います。
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台風の被害が大きくなっています。
きっと誰もが、「まさか」と思っていたと思います。
いつどんな時にその「まさか」が来るかはわからない。
わたしももう一度災害時の事をよく考えなければと思いました。
避難されている方々が、一日も早く日常を取り戻せます様に。
150912
ayumi