『いえでをしたくなったので』
リーゼル・モーク・スコーペン 文
ドリス・バーン 絵
松井るり子 訳
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子どもの頃、秘密基地が大好きでした。
神社の境内の下、橋の下、小さなトンネルの上、田んぼの畦道...最早それは秘密と言えるのか?という様な場所でも、わたしにとっては立派な秘密基地でした。
大人から見たらなんて事ない場所でも、子どもにとっては特別な場所。一瞬で「遊び場」になります。
この絵本は、そんな子どもの頃の気持ちを瞬時に取り戻させてくれました。
今日紹介させてもらう絵本は、『いえでをしたくなったので』です。
ある日、いえでをしたくなった4人のきょうだいは、荷物を詰めて引っ越します。
大好きな大きな木や、池、洞窟、浜辺。
そのどれもが子ども達にとっては、立派な住処。
そしてそのどれもが、生き生きとした子ども達だけの世界です。
それぞれの家は子ども達が理想とする「秘密基地」そのもので、子ども達を魅了してやまないと思います。
大人が読んでも、「あぁ、こんな家、憧れたなぁ」と童心を思い出すでしょう。
でも、それも長くは続きません。
ひとつひとつの家に、ちゃーんとオチがついています。
まるでひとつの歌の様なこの絵本。
以前紹介させてもらった、『きょうはみんなでクマがりだ』と同じ様に、テンポの良い言葉で綴られています。
繰り返しの展開は、次はどんな家に住むのかな?と、子ども達にワクワクを与えると思います。
そして細部まで細かく丁寧に描かれた絵。白黒で決して華美ではありませんが、とても美しい。
そして最後に引っ越すのはやっぱり、ここ。
それから そろって ひっこした
やっぱり うちで くらそうと
子ども達はこの絵本の中で1番の笑顔で家に帰ります。
そして両親も、笑顔で迎えます。
やっぱりみんなで暮らす家が1番。
そもそも、子ども達がいえでをしたくなった理由は何だったのでしょう?
言葉には現されていませんが、冒頭の絵を見たらわかります。
それは是非、実際に見て確かめて下さいね。
その理由もまた、もしかしたら幼い頃、経験した事があるかも。
そしてもしかしたら、自分の子どもにも感じさせている事かも。
家族みんなが仲良く笑顔で暮らす家。
魅力的な家は自然の中に沢山あるけど、やっぱりそれが1番ですね。
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【40】『いえでをしたくなったので』
リーゼル・モーク・スコーペン 文
ドリス・バーン 絵
松井るり子 訳
ほるぷ出版 2014/07
この絵本は、日本では比較的新しい新刊ですが、元はとても古く、1969年にアメリカで刊行されたものです。
でも古さを全く感じさせないから凄い。
古典と呼ばれる名作は沢山あります。
先日紹介させてもらった『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』なんかも、古典の名作の代表ですよね。
今の絵本にある様な、子どもを喜ばせる様な仕掛けや色鮮やかさなんかはあまりありません。
ですが、長く長く読み継がれている理由は確かにあります。
古いからと言って、決して古臭さはありません。
どの絵本も子ども達をワクワクドキドキさせる力を持っています。
それは何年、何十年経っても決して色褪せないものです。
昔の子ども達も今の子ども達も楽しませてくれる、古典の名作達。
本屋さんではもしかしたら、目立つところにはないかもしれません。
でも是非こういった絵本も、子ども達に伝えていって欲しいと思います。
子ども達はなかなか自力で絵本を探す事はできません。
そこは是非大人が、子ども達に手渡してあげて欲しいと思います。
そして一緒に読み、大人もまた、童心に帰って楽しめたらと思います。
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昨日は朝から映画「日本でいちばん長い日」を観てきました。
とても考えさせられる、こころに深く突き刺さった映画でした。
しばらく余韻を堪能し、改めて色々としっかり知ろうと思えました。
是非多くの方に見て欲しい映画です。
そして今日は、久々に妹と会います◡̈♥︎
息子にとってはおばちゃんですが、妹は断固としておばちゃんと呼ばせません。笑
でも主人がこっそりおばちゃんって教えてる...。笑
果たして今日は何と呼ぶのか(´◡`;)
期待してます♡笑
150902
ayumi◡̈⃝