さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 駆け出しの絵本講師、1日1冊絵本を紹介しています◡̈

『どうぶつたちのクリスマスツリー』

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どうぶつたちのクリスマスツリー 』

 

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本屋さんに行くと、クリスマス絵本が目に付くようになりました。

この季節は様々なクリスマス絵本が並び、何だかウキウキワクワクしてきます。

 

新刊絵本チェックは最早日課でもありますが、クリスマス絵本は特に大好きなジャンルなので、毎年いい絵本と出会えるのを楽しみにしています。

 

そして今年は早速、とても素敵な絵本と出会えました。

レナード・ワイスガードの美しい絵が目を引くこちらの絵本です。

 

しずかな ふかい もりのおくで、クリスマスが はじまろうと しています。

 

森のクリスマスを描いたこの絵本。

 

動物達は皆それぞれ、クリスマスツリーの準備を始めます。

 

ぞうが大きなもみの木を運び、カーディナルがそれを皆に知らせてくれます。

こうもりはクリスマスキャロルを歌い、りす達はクリスマスのはじまりを語らいます。

カンガルーやとらはもみの木に飾るオーナメントを作り、マントヒヒはまつぼっくりを色んな色に染め上げます。

 

そうして皆で協力して準備を進め、最後にきりんがてっぺんに星をすえたら完成です。

 

その美しいクリスマスツリーを皆で囲み、幸せな、優しいクリスマスの夜を過ごします。

 

協力して作り上げたクリスマスツリーは、とても美しくクリスマスの夜を照らしてくれます。

 

とても静かで優しく美しい物語。

ストーリー展開は決して難しいものではないので、小さなお子さんから楽しめると思います。

 

肉食も草食も関係なく共生しているこの物語は、確かにファンタジーです。

ですが、お話の根底に流れる動物達のクリスマスを心待ちにしている気持ちや、協力してツリーを作る優しさ。

決して言葉では言い表していませんが、お話を読み終えた後にじんわりと心に残るものがあります。

 

絵本は子どもが初めて触れる芸術です。

そして、初めて触れる世界でもあります。

 

それは限りなく本物でなければならないと思いますし、初めて触れる世界は、限りなく優しく希望に満ちたものであって欲しいと願います。

 

小さな人は、クリスマスの夜をどんな気持ちで待っているでしょう。

まだクリスマスの意味もよくわからないかもしれないけれど、街中に流れるクリスマスソングや、キラキラ美しいもみの木を見て、少なくともその夜を心待ちにするのではないかと思います。

 

子ども達には、サンタクロースをできる限り心の中に住まわせてあげたいと思います。

 

松岡享子さんの著書に、『サンタクロースの部屋』というものがあります。

サンタクロースが住んでいた心の部屋は、大人になってもきっとその子を支えてくれる。

そんな部屋を大切に守ってあげたい。

 

巷には、様々なクリスマス絵本が溢れています。

中には、とても悲しくなる様な新刊絵本もありました。

 

サンタクロースは、いい子にだけやって来るのではありません。

クリスマスは、皆に平等に訪れます。

 

絵本は子どもにとってどんな役割を持つのか。

大好きなお母さんと過ごす絵本の時間は、子どもにとってどれだけ幸せなものなのか。

その時に共有する物語が、子ども心に焦りや不安を生むものであってはならないと、強く思います。

 

沢山のクリスマス絵本から選ぶ1冊が、どうかこの絵本の動物達の様に、親子にとって幸せな優しいものであります様に。

 

 

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『どうぶつたちのクリスマスツリー』

ジャン・ウォール 作

レナード・ワイスガード 絵

こみやゆう 訳

好学社 2016/10

 

 

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ayumi◡̈⃝