さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『しりたがりやの ふくろうぼうや』

f:id:a_oyatsu:20160810234524j:image

しりたがりやの ふくろうぼうや (児童図書館・絵本の部屋) 』


........................✍

 

最近の息子は、「あれ何期」です。


目に入ったものはとりあえず全て「あれなに?」。


朝新聞を読むわたしの傍、目に付いた写真を全て指差し、「これだれ?」「これどこ?」「これなに?」。

 

いつかは、新聞に載っていたオバマ大統領を指差し「これだれ?」「オバマ大統領」「オバマ大統領ってなに?」「とっても偉い人」「オバマ大統領はどこにいるの?」「アメリカ」という会話をしたからか、街中でオバマ大統領らしき人物が写っていたポスター?チラシ?を指差し、「あ!アメリカや!かーさん、あれアメリカやで!」...。

 

知的好奇心の塊の子どもはとっても面白いですが、ひとつひとつ相手をしていたらそれはもう疲れます。


「なんやろなぁ?」なんて適当な返事をしたものなら、「なんやろなぁってすぐに言わないで!」とお叱りを受けてしまうのですから。笑

 

そんな息子の今にぴったりな絵本を見つけました。
タイトルからして正に今の息子。『しりたがりやのふくろうぼうや』です。

 

すくろうのぼうやは、とにかく何でも知りたがります。
夜になると、星の数や空の高さ、波の数、海の深さ...何でも知りたがり、かあさんに尋ねます。

 

かあさんはその度に、「かぞえてごらん。」「たしかめてごらん。」とぼうやに優しく言います。

 

星の数、空の高さ、ふくろうのぼうやは自分で確かめようとします。でも、もちろんきりがありません。

 

そうしてぼうやは、「たくさん」「とっても」という概念を、体感していくのです。

 

目に見えない愛情の深さも、「たくさん」を自ら体感したぼうやは、しっかりと感じ取ります。
かあさんが大好きだという気持ち。そして、かあさんも同じ気持ちだということを。

 

子どもにとって、自ら体験して感じ、学んだことが何よりも力になります。


でもつい、答えを知っている大人は近道をしてしまいがちです。


わたしもつい、聞かれると答えてしまうことが多いです。

 

でもこのふくろうのかあさんは違います。
答えをちゃんと子どもに導き出させようとする。そして必ず、その姿を見守り待ってあげています。


そんなお母さんの姿があるからこそ、子どもは全力で疑問に立ち向かえる。ふくろうのかあさんは、こう在るべきという母親の姿を示してくれています。

 

わたしもこう在りたいと思うと同時に、こんな風に子どもに愛情を伝えてあげたいと、そう感じました。

 

しりたがりやの息子に、今読んであげたい1冊です。


........................✎

 

【338】『しりたがりやの ふくろうぼうや』
M・サラー 作
D・ビースナー 絵
せなあいこ 訳
評論社 1992/09

 

160624
ayumi◡̈⃝