さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『ピーレットのやさいづくり』

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ピーレットのやさいづくり 』

ウルリカ・ヴィドマーク 文

イングリッド・ニイマン 絵

高橋麻里子 訳


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とっても素敵な新刊絵本を見つけました。
新刊と言っても、原作は1947年に出ています。
でもちっとも古さを感じさせない、可愛らしい絵本です。

 

ピーレットと犬のピフは、野菜畑を作ることにします。

畑を耕して、紐できちんと線を引きます。
そしてその紐に沿って、種を植えていきます。

勿論畑作りはスムーズにはいきません。
種を狙っているカラスがいたり、大雨で畑の野菜がぺちゃんこになったり。

その度にピーレットは落ち込みますが、それでも丁寧に野菜達を育てていきます。

 

とてもシンプルな作りの絵本。
文章は左、絵は右と、構成もシンプルです。

背景は白で統一されていて、無駄な色や絵はありません。

 

文章量も適度にありますが、この絵本は3歳くらいから是非とも読んでもらいたい1冊です。

 

畑を耕し、種を植え、野菜を育てる。
この一連の流れを、他者に惑わされることなくピーレット1人(と、犬1匹)でやり遂げます。

ここにもし大人が加わったり、誰かの手が入ると、一気に現実味が増しもうこの繊細な世界観は崩れてしまうと思います。

 

とても現実的でいて、とてもファンタジック。
ごっこ遊びを楽しめる様になる3歳くらいのお子さんだと、この世界観を大人よりも満喫できると思います。

 

装丁もシンプルで飽きのこないもの。
きっと日本でも長く愛される絵本になると思います。
というか、こういった絵本こそが長く愛されて欲しい。そう思います。

 

絵はイングリッド・ヴァン・ニイマン。リンドグレーンとのコンビで「ピッピシリーズ」や「やかまし村シリーズ」を手がけている、それだけで安心感のあるイラストレーターです。

 

サイズ感もまた可愛らしい1冊。
日本ではまだ新刊絵本なので、書店で見かけたら是非、手に取ってみて下さい。


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【333】『ピーレットのやさいづくり』
ウルリカ・ヴィドマーク 文
イングリッド・ニイマン 絵
高橋麻里子 訳
岩波書店 2016/05

 

160619
ayumi◡̈⃝