さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『すずめくん どこで ごはん たべるの?』

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『すずめくん どこで ごはん たべるの?』
たしろちさと

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今日は家族で嵐山のモンキーパークという、野生の猿達が見れる場所に行ってきました。

思ったよりも野生の猿でびっくり!
息子も最初は喜んで見てましたが、柵越しの餌やりをしたらその勢いに圧倒されたのか、スイッチが入った様に大泣き。笑

でも動物園とはまた違った動物が見れたこともいい経験でした。

動物園にも檻の中以外に実は動物がいます。
それが、鳩や雀などの野生の鳥たち。
発売されたばかりのこの絵本は、そんな雀に焦点を当てた絵本です。

動物園の動物たちからちょっとずつ餌のおすそ分けをもらっているすずめくん。

かばのところでは、ちょっとだけおいもを。
きつねのところでは、きつねが見てない内にくだものを。
きりんのところでは、一緒に水を飲んでいます。

大きな動物の陰にいる、小さな小さなすずめくん。
動物園では決して主役にはなりませんが、後をつけてみるとなかなか面白いことがわかります。

そして、そんなすずめくんに気付いている男の子が1人。
子どもは案外大人より、色んなところが見えているんでしょうね。

勿論、獰猛な動物の側では危険も伴います。
そんなリスクも豪快に描かれていて、スリルも満点です。

ストーリーもあり動物園で人気の動物達もしっかり描かれているので単純に子どもは喜ぶと思いますが、シリーズとしては「科学絵本」の分類に入る、福音館書店の「ふしぎなたねシリーズ」となっています。

動物園という決してそのままの自然ではない場所で、野生の動物が生きている姿。
子どもたちに、動物園だけが動物の生きる場所ではないということを、そっと教えてくれると思います。

そしてこの絵本、ロシアの詩人マルシャークの詩を翻訳したものだそう。
詩が元になっているということもあり、言葉のリズムや流れも心地いい1冊です。


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【304】『すずめくん どこで ごはん たべるの?』
たしろちさと 文・絵


160521
ayumi◡̈⃝