さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『ボートにのって』

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今日は久しぶりに妹が遊びに来ました。

息子と一緒に公園へ遊びに行き、あたたかい空気の中沢山お外遊び。

雨で桜はだいぶ散ってしまっていましたが、それでもバスの窓から見える菜の花や公園に咲くたんぽぽが、まだまだ春は始まったばかりだと教えてくれている気がしました。

息子が口ずさむ歌も、自然と春の歌が増えている気がします。
少し前までは自転車をこぎながら、寒い寒いと「北風小僧のかんたろう〜♩」と歌っていたのに、季節は本当に過ぎ去るのが早いです。

わたしと息子の暮らしの中に、絵本と同じくらい歌が欠かせないものとなっています。

お散歩する時、お風呂に入っている時、寝る前のお布団の中、気付けばどちらかが口ずさみ始めます。

絵本も勿論そうですが、一緒に歌を口ずさめるのも、そんなに長い期間ではありません。
手を繋ぎ、感じる季節の歌を一緒に歌える時間。
しっかりとわたしの記憶に刻みたいですし、息子の中にも、下手くそなわたしの歌が少しでも残ってくれたら嬉しいです。

そんな親子なので、歌絵本は大好きなジャンル。

歌ばかりが載っている絵本もありますが、この絵本の様に、お話の中に歌が組み込まれている素敵なものもあります。

とよたかずひこさんの、うららちゃんシリーズ。
乗り物好きな男の子にも、そうでない女の子にも、人気の高いシリーズです。

中でもこの『ボートにのって』は、わたしの中でシリーズ1.2を争う大好きな絵本。

うららちゃんとおとうさんがボートにのっています。

池の真ん中でボートをとめて、おとうさんはお昼寝。

おひさまはぽかぽか。
かぜはそよそよ吹き、菜の花のいい香りを連れてきてくれます。

春の陽気に誘われて、うららちゃんは小さく口ずさみます。

♫ちょうちょう ちょうちょう なのはに とまれ♫

すると、ちょうちょうがふわりふわふわと遊びにやって来ます。

嬉しくなったうららちゃんは、次々と歌います。

♫かえるのうたが きこえてるよ くわっ くわっ くわっ くわっ♫

♫もしもし かめよ かめさんよ♫

♫でてこい でてこい いけのこい♫

♫あひるの みずあび すい すい すい♫

そうすると、歌に合わせてかえるさん、かめさん、こいさん、あひるさんが、ボートへ遊びに来てくれます。

嬉しそうなうららちゃんの姿に、こちらまで嬉しくなってきます。

でもおとうさんが起きてしまうと、みんなびっくりして池へ帰ってしまいます。

せっかく仲良くなれたのに、バイバイも言えずにお別れ...でも、ラストはちゃんと、優しい結末が待っています。

童謡を楽しみながら、お話も楽しめるとても素敵な1冊。
春のこの季節に、是非お子さんと楽しんでもらいたい絵本です。

絵本には力があります。
同じ様に、童謡を始めとする歌にも力があると思います。
その力を1番発揮させられるのは、やっぱりお母さんの「声」だと思うのです。

上手い下手は関係なく、お母さんの優しい声をお子さんの心の中に残してあげて欲しいと、そう思います。


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【261】『ボートにのって』
アリス館 1997/10


160408
ayumi◡̈⃝