さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『おんなのこ と あめ』

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ミレナ・ルケショバー 文
ヤン・クドゥラーチェク 絵
竹田裕子 訳

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今日は久しぶりの本格的な雨降りでした。

今日の雨は恐らく花散らしの雨となるでしょう。満開の桜も見納めかと思うと、本当に日々は駆け足で通り過ぎていくなぁと感じます。

この週末お花見予定だった方にとっては、この雨は残念なものになってしまったと思います。
そうでなくてもやはりどんより曇り空から降り続ける雨は、気分も滅入ってしまいますね。

そんな日にはやっぱり心が晴れやかになる様な雨の絵本を読みたくなります。

雨と女の子の交流を描いたこの絵本。
チェコの絵本で、デザインや色彩も美しく、大人の女性の方にもファンが多い1冊です。

絵本に出てくる雨も、女の子以外の人や動物からは疎まれてしまいます。
濡れるのは嫌だし、みんなお家へ入ってしまう。
でも女の子だけは、「れいんこおと」を着て雨の元へ来てくれます。

「あめさん あめさん このゆび とまれ!」

雨と戯れる女の子。
灰色だった雨の世界が、女の子の目を通すと虹色にキラキラ輝いて見えます。

もしかしたら本当は雨の色はこんな虹色で、大人になるにつれてだんだんと灰色に変わってしまっているんじゃないかな...なんて思ってしまいます。

雨だけでなく、子どもの頃見えていた沢山の色は、大人になるにつれて現実の色へと姿を変えていく気がします。
人生を生きていく上で、それは仕方のないことなのかもしれない。いつまでも七色の虹に囲まれて生きていくことはできません。

でも、たまにはこんな絵本を通して、大人も虹色の世界を思い出してみたい。
そんな楽しみを忘れない大人になりたいし、子ども達にもそんな大人になって欲しい。
そんな風に思います。

女の子は最後に、かえるに言います。

「ね かえるさん
あめって やさしいのね。」

雨を優しいと思える感性。
子ども達にはできるだけ長く大切に、心に留めて欲しいと感じます。


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【260】『おんなのこ と あめ』
ミレナ・ルケショバー 文
ヤン・クドゥラーチェク 絵
竹田裕子 訳


160407
ayumi◡̈⃝