さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『どれがぼくのおうちになるのかな?』

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ロン・マリス 文・絵
はらしょう 訳

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今日は久々にお世話になっている絵本屋さんへ行き、その上にある子育て広場で遊んで来ました。

お弁当を一緒に食べた女の子と意気投合した息子は、昼からもその子と楽しそうに遊びまわっていました。

その子は春から幼稚園ということと、その広場は我が家からは遠いのでそんなに頻繁に行く場所ではないということもあり、恐らくもう会うことはないとは思いますが、それでもあの短時間であれだけ一緒に仲良く遊べるのは子どもの特権だなぁと感じました。

幼稚園、小学生と成長していくにつれ特定の仲良いお友達ができたり、中学生になれば部活動が始まったりと、だんだん自分の居場所を見つけていくのだと思います。

この絵本の主人公かえるくんも、自分の家を探してまわります。

たくさんの穴を順に巡っていきますが、そこには大抵先客が。

アナグマやうさぎ、ふくろう、ねずみ、みつばち...。みんな家族で暮らしています。

この穴はどうかな?と覗き込むシーンは文字の説明はなく、見開きでダイナミックに描かれているので、「一体誰が先に住んでるのかな?」とワクワクドキドキしながら読み進めることができます。

「まんいん まんいん」と追い払われるかえるくんですが、追い払った動物たちもかえるくんの行く末が気になるのか、一緒に次の穴を覗き込んでいます。
だんだん仲間が増えていくみたいで、心強い気持ちになります。

ようやく見つけた誰もいない穴。
そこは、他のみんなにとっては若干不便な穴ですが、かえるくんにとってはとても都合のいいぴったりな家になります。

他の人にとっては魅力的ではなかったとしても、自分にとっては特別な場所になることもある。
周りを羨むのではなく、自分にとっての特別を探す方がよっぽど楽しいし、幸せ。
かえるくんの探し当てた家を見ると、そんな前向きな気持ちになれます。

やがて他の家の様に、「まんいん まんいん」になる様に。
自分だけの特別な居場所で、かえるくんはきっと幸せに暮らすことでしょう。

息子もいつか、自分だけの居場所を求めてわたしの側を離れていくのだと思うと少し寂しい気もします。

ですが、それまではわたしが息子の「1番特別な居場所」であれたらと、そう願います。


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【239】『どれがぼくのおうちになるのかな?』
ロン・マリス 文・絵
はらしょう 訳
アリス館 1994/05

2歳くらいのお子さんから楽しめる絵本ですが、新しく家庭を持つ方へのプレゼントなんかにもオススメの1冊です♡


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ayumi◡̈⃝