さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 駆け出しの絵本講師、1日1冊絵本を紹介しています◡̈

『おまたせクッキー』

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ハッチンス 作
乾侑美子 訳

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先日、数の絵本を紹介させてもらいました。

数の絵本と言っても様々で、先日紹介させてもらった絵本はダイレクトに1〜10までの数の概念が描いてある絵本でしたが、今日紹介させてもらう絵本は、片方が増えると片方が減る、数学の導入編の様な数の絵本です。

とは言え、計算式オンパレードの様な絵本だとちっとも楽しくないですよね。
安心してください。そんなダイレクトな絵本ではなく、言ってしまえば「これ、数学の絵本?」と思われてもおかしくない、とってもチャーミングで楽しい1冊です。

今日の絵本は『おまたせクッキー』です。

おかあさんがクッキーを焼いてくれました。

「ふたりでわけて、おやつにしてね」

ビクトリアとサムはおなかがぺこぺこ。
早速おかあさんのクッキーをわけます。

クッキーは全部で12枚。
2人で分けると、6枚ずつです。

と、その時、ピンポーンと玄関のベルが鳴りました。

やって来たのはお隣のトムとハナ。
ちょうどいいタイミングです。
今度は4人で、12枚のクッキーを分けます。

「三つずつだ」

ところがまたベルが鳴り、ピーターとピーターの弟が遊びに来たのです。

全員で6人。ということは、1人何枚?

12枚のクッキーを、次々とやって来る友達とわけっこしていくこのお話。

最初は、「クッキーが少なくなるよー」なんて視点で楽しむと思いますが、次第に「何人になったら、1人何枚になるのかな?」と、自然と割り算の概念をこの絵本から身につけることができると思います。

ですが、お話の醍醐味は何と言っても、だんだん増えていく友達と、だんだん減っていく自分のクッキー。
みんなで分け合うという優しい気持ち半分、これ以上増えるとクッキーがなくなっちゃう!という焦る気持ち半分。
そんなドキドキ感も楽しめます。

さて、ラストは一体どうなるのでしょう。
是非絵本を見て確かめてもらいたいと思いますが、安心して下さい。みんなで分け合おうとしていた子ども達には、ちゃーんと素敵なご褒美が待っています。

数を楽しむ絵本として紹介させてもらいましたが、間違っても「この絵本で割り算を教えよう!」なんて思わないで下さいね。
この絵本を通して数の楽しさを知ってもらえたら嬉しいですが、数なんてそっちのけで「クッキーが減っちゃう!」というハラハラドキドキを味わうだけでも、十分楽しめます。

絵本を通して伝わることや感じること、楽しさは、人それぞれ。

そこが絵本のいいところなんでしょうね。


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【231】『おまたせクッキー』
ハッチンス 作
乾侑美子 訳
偕成社 1987/08

わたし自身、算数や数学はとーっても苦手でした。
今でも苦手意識満載です。
買い物の時でもよくお釣りの計算を間違えて、「あれ、10円だけで100円ある...」なんてこともしょっちゅう。笑

だからこそ、子どもの頃にこうした楽しみながら数に親しめる絵本に出会っていたかったなぁとよく思います。

それで算数が得意になっていたかどうかは別ですが笑
少なくとも、「嫌い」という感覚は今よりずっと少なかったんじゃないかな、と思います。

わたしは数や数学は、「勉強」しかしてきませんでした。

息子には、勉強は二の次でもいいから、「楽しむ」ことを沢山させてあげたいです。


160310
ayumi◡̈⃝