さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『ねこくん いちばで ケーキを かった』

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ユーリー・ワスネツォフ 絵
たなかともこ 編訳

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今日はねこの日ですね。
全国のねこ達は、今日は至れり尽くせりの1日かな?

ねこの日にちなんでここ何冊かねこの絵本を紹介してきました。
今日はいよいよねこの日当日!ということですが、ねこの絵本ってほんっと星の数ほどあって、どれを選ぶか...何を選ぶか...迷った挙句、何だか変化球なチョイスになってしまいました。笑

ねこが主役!となると、選びきれなかったんです。笑

ということで、今日はこんな素敵な1冊を。
何を隠そうわたし、大のロシア絵本ファンです。
そんな中でもお気に入りのこちらを紹介させて下さい。

今日の絵本は、『ねこくん いちばで ケーキを かった』です。

こちら、ロシアのわらべうた絵本です。

ロシアのわらべうた?と思われた方もたくさんいらっしゃるでしょうね。
わたしもロシアのわらべうたと聞いてもピンと来ませんでした。

でも中身を見ていく内に、「あぁ、これがロシアのわらべうたなのか」としっくりくる様に。

ひとつ、紹介させてもらいますね。

おーい くまを つかまえたよ
それなら こっちへ つれといで
だめだよ うごかないんだもん
それなら おまえだけ こっちへ おいで
だめだよ はなしてくれないんだもん

このわらべうたの挿絵として、くまと男の子が抱き合って(?)いる絵が。
くまを捕まえたと言いながら、果たして本当に捕まえたの?もしかして、捕まってない?
このセンス。何て面白いんでしょう!

ロシアのお話で日本で1番有名なものと言えば、恐らく『おおきなかぶ』ではないかと思います。
このお話も日本では教科書に採用され、「みんなで力を合わせたら何事も達成できる!」という様な意味合いをつけられてしまっていますが、本来はとってもコメディタッチでシュールな世界観だと思います。

ロシアの作品には、そうした柔らか目のブラックジョークの様な雰囲気を感じます。
わたしはそのセンスが大好き!
この絵本に載っているわらべうたでも、そうした面白味が存分に味わえます。

そして、動物が沢山出てきます。彼らが主役のものが多くあります。
雄大な自然があるロシアだからこそ、小さな頃から自然の動物はとても身近な存在だったのでしょうね。

わらべうたの楽しみ方、親しみ方は、日本と同じです。
母親が赤ちゃんの身体に触れながら歌ってあげる。わらべうたの絵本も積極的に出版されているそうです。

世界には様々なわらべうたがあり、そのどれもが、母親と子どもを優しく繋いでくれる優しいものだと感じます。

異国のわらべうたも是非、楽しんで触れてみて欲しいと思います。

ちなみに先ほど挙げた「おおきなかぶ」も、わらべうたとして載っています。
挿絵も抜群に素敵です。

最後にねこの日にちなんで、表題作「ねこくん いちばで ケーキを かった」を抜粋させてもらいますね。

ねこくん いちばで ケーキを かった
そのあと 通りで しろパン かった
ひとりで たべてしまおかな?
ボーレンカにも あげよかな?
じぶんで ちょこっと かじったら
ボーレンカにも あーげよ!

かじっちゃうんだ!笑
何とも愛らしいねこくんです。


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【123】『ねこくん いちばで ケーキを かったーロシアのわらべうた』
たなかともこ 編訳
岩波書店 2014/07

今日の新聞に、幼稚園児の声が騒音とされる記事が載っていました。
園児の声が騒音だと訴訟も起きているそう。
施設側は防音壁を設けたり、「園児の目線が木になる」との声に応じて小窓に目隠しフィルムを貼ったりの対応をしているそう。

子どもの声が騒音...。それを言ってしまったら、この国への不安しか募りません。

むしろ、子どもの笑い声、泣き声、騒ぎ声が大きければ大きい程、幸せを感じられる世の中でなければいけないと思います。

記事には、「地域で育む」意識が必要だとありました。
正にそうだと思います。
確かにひと昔前とは環境が変わってしまっているのは事実です。
土地も狭く密集している住宅街の中に施設があれば、否応なく近隣の家には声が漏れるのかもしれません。

でも、なんだか悲しいと感じてしまうのは、わたしだけでしょうか。

母親が孤立して子育てをしなければいけない社会、地域密着とは程遠い世の中ですが、核家族が進んだことだけが理由ではないと感じてしまいました。


160222
ayumi◡̈⃝