さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『ベッドのしたに なにがいる?』

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ジェームズ・スティーブンソン 文・絵
つばきはらななこ 訳

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息子は暗いところも平気だし、鬼や妖怪の類もまだまだ怖いということを知りません。笑

節分の時期も鬼を見ては喜んだり、妖怪電車なるものに乗った時でも、周りの子がギャーギャー泣いてるにも関わらず息子は1人けろっとしていました。

そんな息子でも「怖い」があります。
少し前はお笑い芸人さんの日本エレキテル連合や、わたしがパックをしている姿。
人間の形をした雪だるまも怖がっていました。
そして昨日相当怖がった、蔦屋家電のペッパーくんと全身真っ白のパントマイムの人。

成る程。息子は恐らく、「白い顔」が怖いのだと。笑

子どもの頃、何であれが怖かったんだろう?という様なものをとても怖がったりしませんでしたか?

わたしは夢で見たサンタクロースがプレゼントの入った袋を「かぶっている」姿がトラウマで、しばらく顔が見えないものが怖かった記憶があります。笑

今日紹介させてもらう絵本の出来事も、きっと怖がった経験がある人も多いと思います。
大人でもしかしたら、時と場合によっては怖いかもしれません。

今日の絵本は、『ベッドのしたに なにがいる?』です。

メアリーとルーイはおじいちゃんにお話を聞いた後に、ベッドへ向かいます。
でもおじいちゃんのお話は「怖い話」だった様で、なかなか寝付けません。

ベッドの下に何かいる気がして...。

怖くなった2人は、急いでおじいちゃんの所へ戻ります。

おじいちゃんは2人の話を聞き、「わしが 子どものころも、おなじようなことがあったなぁ」と、子どもの頃経験した怖い話をまたしだすのです。

えっ?そんな怖い話を、怖がってる2人にするの?と思っちゃいますが、ここがおじいちゃんの素敵な所。

窓の外に幽霊がいたんだよと言うおじいちゃんに、2人は「まどを、しっかり しめてなかったからよ。すきまかぜの おとなんだわ」と言います。
おじいちゃんは、「そのとおり!」と。

他にもおじいちゃんは、怖いことを沢山経験します。
がいこつが出てきたり、コウモリが飛んできたり、何か君の悪い小さな生き物がやって来たり。

その度に2人は、それらが違う「何か」だったことに気付き、おじいちゃんは「そうそう、そのとおり!」と2人を肯定します。

敢えて自分の怖い経験談をしながら、2人に「本当はそうじゃなかったんだ」ということに気付かせるおじいちゃん。
さすがです。
自分達で気付くことの方が「大丈夫だよ、何もいないから」と言うよりも、安心感が大きいと思います。

そうして最後は、怖い思いも吹っ飛ぶとっておきのご褒美が。
ここもまた「にくいなぁ」と思わされます。

ベッドの下に何かいるかも。
そんな想像も、子どものファンタジーの世界の一種だと思います。

怖くて怖くて眠れないけど、子どもは怖い話が大好き。
ちょっとスリルがあって、ドキドキして、でも怖くって。

そんな時に、この絵本のおじいちゃんの様な大人が側にいてあげることは、子どもにとってはとても心強いことだと思います。

「何かが怖い」。そんな気持ちが芽生え始めたお子さんにも、オススメの絵本です。
是非お母さんのお膝の上で、身体をくっつけて、安心感と一緒にお母さんの声で読んであげて下さいね。

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【197】『ベッドのしたに なにがいる?』
ジェームズ・スティーブンソン 文・絵
つばきはらななこ 訳
童話館出版 2007/03

今日は妹と息子と久々の公園へ。
手作り市も開催していて、ぐるりと見て回るのも面白かったです。

春には鉄道博物館がオープンする場所。
あたたかくなったら、また足繁く通いたいと思います◡̈♡


160206
ayumi◡̈⃝