さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『しごとをとりかえただんなさん』

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ウィリアム・ウィースナー 絵
あきのしょういちろう 訳

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今日は連休最終日。勤労感謝の日ですね。
尊い労働に対し感謝をする日。
でも労働とは、決して外に出て働くことだけを言うのではないと思います。
毎日毎日、家の仕事をするお母さん。
子どものお世話をするお母さん。
主婦の仕事だって、立派な労働。
世の中のお母さん達、本当に毎日毎日、お疲れ様です。

今日は、そんな働き者のお母さん達に是非!読んでもらいたい絵本を紹介させて下さい。

ノルウェーの有名な昔話です。

今日の絵本は、『しごとをとりかえただんなさん』です。

むかし、小さな家に若いお百姓の夫婦が住んでいました。
だんなさんは畑を耕し、おかみさんは家の仕事。

そんなある日、だんなさんがおかみさんに言いました。

「おまえは、ずいぶん らくなくらしを しているもんだ。この すみごこちのいい家に、日がな一日 いられるんだからな。」

それを聞いたおかみさんは、陽気に答えます。

「それなら、あすから しごとをとりかえようよ。」

この提案に乗っただんなさん、次の日から早速仕事を取り替えるのですが...。

だんなさんのこのセリフ、似たような事を言われたことのあるお母さんは少なくないんじゃないかな?と思います。

主婦の仕事って、本当に理解されにくい。
小さな子どもがいれば尚更大変なのに、外で働いている人からしたら家にいるのは楽に見えてしまうんですよね。

こんなこと言われたらわたしだったらかちんと来てしまいますが笑 このおかみさんはそんなへまはしません。
とても賢い提案をします。

仕事を取り替えている間も、だんなさんはハプニング続きなのですが(このハプニングは是非、絵本で見て楽しんで下さいね)、おかみさんはちゃっちゃっと畑仕事を済ませてしまいます。

さすが、ベテラン主婦。
仕事の段取りが上手いんですね。

お互いの仕事の大変さを実感するのは、取り替えてみるのが1番手っ取り早い。
でも現実問題、そう簡単にはいきません。

でも相手の立場を考え、思いやることは、少し深呼吸したら出来るんじゃないかな、と思います。

「1日家にいて、楽でいいよな。」
そんな風に言われた日には、是非この絵本をそっとダイニングテーブルにでも置いてみて下さい。笑

同時に自分もまた、外で働いてお金を稼いできてくれる人へ感謝をしなければと、改めて思います。

何事も、相手の立場を尊重し、思いやること。
そんな事をこの絵本はコミカルに教えてくれます。

今日はこの本を読みながら、普段の自分を少しだけ褒めてあげて、外で頑張って働いている人の為に少しだけ手の込んだ夕飯を用意できたらな、と思います。

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【122】『しごとをとりかえただんなさん』
ウィリアム・ウィースナー 絵
あきのしょういちろう 訳
童話館出版 2007/07

このお話はノルウェーの昔話なので、同じ様なストーリーの絵本は他にもあると思います。

わたしも以前、古本市で同じストーリーで違う作者の絵本を見かけました。

この様に、昔話は様々な作者によって描かれています。
日本の昔話も同じ様に、同じ話でも全然違う絵本が沢山あります。

是非色々読み比べてみて、自分に1番ぴったりな昔話絵本を探してみてください♩


151123
ayumi◡̈⃝