さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 2児の子育てをしながら絵本や子育てにまつわるあれこれをお話しています。マイホームは絵本ハウス。絵本に囲まれた暮らしを親子で楽しんでいます◡̈京都在住。絵本講師✎

『くんちゃんはおおいそがし』

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ドロシー・マリノ 作
まさきるりこ 訳

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今日は少し遠くの支援施設のプチイベントで、近くの公園へお散歩に行こうというのに参加してきました。

その公園は本当に何もない公園。
散歩道があり、小川があり、木々があり、小道があり。
遊具や砂場も何一つありません。

でも、落ち葉が沢山あったり、どんぐりも山ほどあったりで、子ども達は大喜び。

小さなビニール袋ひとつに山盛りどんぐりを拾ったかと思ったら、それをひとつずつ小川に落としていったり。笑
正に子どもの価値観、世界観でそのシンプルなお散歩を楽しんでいました。

子どもは遊びを見つける天才。本当にそう思います。
多分大人があれこれ与えなくても、子どもは勝手に何かを発見し、勝手に遊びだす。

今日紹介させてもらう絵本も、そんな遊びの天才が登場します。

今日の絵本は、『くんちゃんはおおいそがし』です。

くんちゃんは朝起きて、ご飯を食べます。
でも今日は、何をしていいのかわかりません。

「なにをして あそんだらいい?」

おかあさんに聞くと、おかあさんはお絵描きを提案します。

お絵描きをし終えたくんちゃんは、また「なにをして あそんだらいい?」と聞きます。

おかあさんはお外で遊ぶことをすすめます。

最初くんちゃんは、外に出ても何をしていいのかわかりませんでした。

家のまわりをぐるりと回ったり、小石を蹴ってみたり。

やがて、見つけた木切れを「ふねみたい」だと思い、川へ出かけます。

川では小石を沢山見つけて、その石と土で家を作ります。

りすがくるみをくわえているのを見つけたら、自分もくるみを集めたり、おかあさんが外に出てほうきで落ち葉をはいたら、真似をして落ち葉の山を作り、「ぼくは うさぎだ。」と潜り込んでみたり。

次から次へと新しい遊びを発見するくんちゃん。

おかあさんがお昼ご飯に呼ぶと、大急ぎでご飯を食べます。

「きょうは ぼく おおいそがしなの。」

訳者のまさきるりこさんは、あとがきで「何もない時間!それは幼い子どもにとって大切な、大切なものだと思います。」と述べられています。

くんちゃんの様に最初は子ども達も、「何をして遊んだらいい?」と聞いてくるかもしれません。

今日も公園で始めは、子ども達もお母さんに促されるがままに、どんぐりを集めたり落ち葉を拾ったりしていました。

やがてお母さんが言わなくても、落ち葉の上を飛び跳ね出したり、川に落ち葉やどんぐりを落としてみたり、木の棒を見つけて太鼓にしてみたりと、自由に遊びだしました。

つい手軽なおもちゃやテレビを与えてしまいがちですが、子どもはほおっておいても勝手に遊びだす。
何もない時間を与えてあげて、見守ることも大切だと、この絵本を読む度に感じます。

何もない空間から何かに目を向け、発見し、遊びを考え出すこと。
幼い子どもにとって、どんな知育よりも大切なことなんじゃないかな...そんな風に思います。

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【119】『くんちゃんはおおいそがし』
ドロシー・マリノ 作
まさきるりこ 訳
ペンギン社 1983/01

何もない時間、何もない空間も大切ですが、「遊びを考え出す」為のおもちゃもまた、子どもの成長発達に於いて大切なものだと感じます。

わたしはずっとおもちゃは飽きるものだと思っていましたが、おもちゃも知れば知る程、遊びの幅が無限大のものが沢山あります。

今日行った支援施設は自転車で30分と少し遠く、息子が赤ちゃんの頃はバスと電車を乗り継いで1時間もかかっていましたが、そのおもちゃの質がとても良く、ずっと通っています。

ボタンを押せば音がなる様なおもちゃはなく、積み木やお人形、おままごとのセットも充実していて、ここに来て遊べばお家になくても十分!と思えるくらいです。笑

息子が幼稚園に行くまでは、お世話になりたいなぁと思っています◡̈


151120
ayumi◡̈⃝