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さんじのえほん。

3時のおやつみたいに、絵本が日々のちょっとした幸せに⋆* 駆け出しの絵本講師、1日1冊絵本を紹介しています◡̈

『たいせつなこと』

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たいせつなこと (ほんやく絵本) 』

マーガレット・ワイズ・ブラウン 作

レナード・ワイスガード 絵

内田也哉子


........................✍


人は生まれてから今日まで、沢山カテゴライズされて生きてきています。


産まれた瞬間の人間は、「男の子」「女の子」「赤ちゃん」「新生児」などとカテゴライズされ、「乳幼児」「保育園児」「幼稚園児」「小学生」「中学生」「高校生」「大学生」...。


「こども」とカテゴライズされていた人達はやがて「大人」になり、大人の世界でもまた、様々なカテゴリに所属させられます。


「お父さん」「お母さん」「おじいちゃん」「おばあちゃん」。

働いているお母さんは「ワーキングマザー」と言われ、家にいるお母さんは「専業主婦」と言われる。

最近では、お母さんが働いてお父さんが家事をする、「主夫」もよく聞きますね。


でもそうやってカテゴライズされることで、ふと疲れてしまうこともあります。


「お父さん」である自分。

「お母さん」である自分。

「こども」と言われる自分。

「男の子なんだから」「女の子なんだから」と言われる自分。


今の自分に少しだけ疲れてしまった時。

まっさらな自分になりたいと思った時に、開く絵本があります。


今日はそんな絵本を紹介させて下さい。


今日の絵本は『たいせつなこと』です。



りんごは まるい


りんごは あかい

したくの できた りんごは

きから ぽたんと おちてくる

かじると なかは しろく

あまずっぱい つゆが

ほおに はじける

そして りんごの あじが

くちいっぱいに ひろがる


でも りんごに とって

たいせつなのは

たっぷり まるい

と いうこと


(本文より抜粋)



この世界には沢山のものがあり、生き物があり、自然があります。


そのどれもに様々な役割があり、こういうものだというイメージもあります。


ですが、そのものにとって1番たいせつなことは、きっとひとつだけです。



ひなぎくに とって たいせつなのは

しろく あること


あめに とって たいせつなのは

みずみずしく うるおす と いうこと


くさに とって たいせつなのは

かがやく みどり で あること


ゆきに とって たいせたなのは

いつも かわらず しろい と いうこと



ともすれば、沢山の役割やカテゴリーに、本当にたいせつなことが押し潰されてしまうかもしれません。


こどもはこどもらしく。

大人は大人らしく。

男の子は男の子らしく。

女の子は女の子らしく。


お父さんはお父さんらしく。

お母さんはお母さんらしく。


優等生はいつもお利口さん。

活発な子はいつも元気いっぱい。

優しい子はいつも穏やかだし、喧嘩っ早い子はいつも血気盛ん。


こう在るべきだというイメージが先行し、本当にたいせつな自分がわからなくなってしまうことがあります。


母親になると、自分の名前で呼ばれる事が少なくなります。


外に出たら、「誰々ちゃんのお母さん」。

家の中でも、「お母さん」「ママ」。

いつもついて回る、母親という役割。

でも、お母さんだって1人の人間です。

母親である自分に疲れてしまう時だってある。

そんな時、是非この絵本を開いてみて欲しいです。


そして同じ様に、子どもだって1人の人間です。

活発な子もいれば、マイペースな子もいる。

頭が良い子、運動のできる子、絵がとっても上手な子。

痩せっぽちの子もいれば、ちょっとふっくらさんもいる。

背が高い子、低い子。

お喋りが達者な子、思慮深い子。


それでも何よりもたいせつなことは、その子が、ありのままのその子であること。


男の子でも、女の子でも、子どもでも、大人でも、お年寄りでも。

誰だって、たいせつなことは同じです。


あなたが あなたであること。


そんな事を、そっと教えてくれる1冊です。


........................✎


【95】『たいせつなこと』

マーガレット・ワイズ・ブラウン 作

レナード・ワイスガード 絵

内田也哉子

フレーベル館 2001/09



あなたは あなた


あかちゃんだった あなたは

からだと こころを ふくらませ

ちいさな いちにんまえに なりました


そして さらに

あらゆることを あじわって

おおきな おとこのひとや おんなのひとに

なるのでしょう


でも あなたに とって

たいせつなのは


あなたが

あなたで

あること


(本文より抜粋)



人生の岐路に立った時。


少し迷ってしまった時。


悔しい想いをした時。


悲しい出来事があった時。


人生のパートナーをみつけた時。


親になった時。


家族ができた時。


新しい自分を見つけた時。


前に進もうと決めた時。


そんな時に、そっと寄り添ってくれる絵本です。


この絵本でなくてもいいと思います。


絵本でなくても、本でも、音楽でも、絵画でも、どこかの場所でも、時間でも、空気でもいい。


自分の心の中にそっと寄り添ってくれる何かを見つけると、少しだけ前向きに進める様になります。


子ども達にも、そんな心の中の安全地帯を、どこかで見つけて欲しいと願います。



........................✂



今日は久しぶりに、絵本の学びの場へ行けました◡̈♡


息子も連れて行きたかったのですが、風邪がまだ治ってないのでお預け。

大人だけだったので、より深く学ぶことができました。


何かを学んだり、聞いたり、教わったりして、それを自分の中で改めて考える。


その考えるという行為が大事なんだと、再認識しました。


いくつになっても、親になっても、何かを学ぶ姿勢を大切にしたいです♩



151027

ayumi◡̈⃝